cogito ergo sum Arabella Steinbacher (vn)

Vasily Petrenko指揮

Russian National Orchestra

(ロシア・ナショナル管弦楽団)


ヴァイオリン協奏曲 第 1番 ニ長調 作品19

ヴァイオリン協奏曲 第 2番 ト短調 作品63

無伴奏ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 作品115


2012年録音

レーベル:Pentatone



演奏 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)


アラベラ・美歩・シュタインバッハー、中々聴かせてくれる演奏だと思います。

丁寧できっちりとした彼女のヴァイオリンの音色、響きには、確かな技術の裏付けが感じられ、安心してプロコフィエフの楽曲を楽しむ事が出来ます。

正確さをも感じさせるその演奏には、ダイナミックさや感情の迸りの様な激しさは薄いので、好みによっては物足りなさ、或いは悪く言えば「小粒」と感じるかも知れません。

しかしながらペトレンコの指揮するロシア・ナショナル管のこれまた正確無比と言えるバックにも支えられ、そしてそのバックに決して負けていない存在感を放っていると思います。

しかしペトレンコ、とても素晴らしい棒さばきだと感じます。ロイヤル・リヴァプール・フィルとのショスタコーヴィチ交響曲チクルスも素晴らしい出来栄えですし、客演指揮でのこのアルバムも、きっちり仕上げてきていると言う印象。

そう言えばヒラリー・ハーンもチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲はペトレンコ&ロイヤル・リヴァプール・フィルと録音していましたね。


録音 ☆☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)


音響的な愉悦感の高いSACDハイブリッド盤です。

ヴァイオリンへのフォーカスも見事ですが、オケの個々の楽器の響きに至っても、音の輪郭は明瞭で定位も良好、見通し感にも優れ適度な温度感があります。

微細な表現を視覚的に訴えかけるかのような実在感も備え、グランカッサ(大太鼓)の響きなど、強打でなくともその波動が波紋のように広がる様が見える様です。

無伴奏バイオリン・ソナタでは、長い残響が印象的ですが、潤い感を与えても音色を不明瞭にしていない処が素晴らしいです。

音の切れや立ち上がりにも鮮やかあがあり、精細感のある録音だと思います。


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