cogito ergo sum 2012年9月30日(日)

開場13:00 開演14:00

ザ・シンフォニーホール


Messiaen - 前奏曲集より
  第1曲 鳩
  第2曲 悲しい風景のなかの恍惚の歌

  第3曲 軽快な数
  第4曲 過ぎ去った時

J. S. Bach - パルティータ 第 1番 変ロ長調 BWV 825

Mozart - ピアノ・ソナタ 第11番 イ長調 「トルコ行進曲付き」 K.331(300i)

Chopin - 12の練習曲 作品10


2月のブライアン・アダムスに引き続き、e+の無料招待に当選してしまい、台風が近づいてくる中、シンフォニーホールに出かけました。確かブライアン・アダムスの時も雨だった...。(笑)



ヤン・リシエツキの事は全く知らなかったのですが、何と1995年生まれという若さなんですね!

ポーランド系カナダ人で、9歳の時にオーケストラ・デビューという天才ぶりなんだとか。

若き金髪の貴公子などとも言われているようですが、確かに綺麗な金髪でした。(笑)

当選で得た席にしては、1階L列、中央付近と、かなり良い席で聴かせて頂きましたので、ピアノの響きがとても良く伝わってきました。


芯のしっかりとした、品の良いリシエツキのピアノの音色、端正さも持ち合わせていると思います。

メシアンの楽曲は「聖体秘蹟の書」しか持っていないし、どうも神秘主義的な感触があり、ちょっと苦手意識があったのですが、今日聴いた前奏曲集からの4曲は、馴染みやすいものだったと思います。

一聴しただけでは掴めませんでしたが、色彩感もあるフランスものの薫りでした。


バッハのパルティータ第1番のプレリュードは、実は私がオーディオ機器を試聴する時の定番の楽曲(アンドラーシュ・シフの演奏)なので、割と良く聴いている楽曲です。

背筋を伸ばし端正に演奏するリシエツキ、やや早めのテンポかとも思えますが、冷静ながらもとても美しいピアノの音色でした。

ただ、バッハ特有の構成感などは余り高くなかったかもしれません。

左手の力強さが私の好みからすると今一歩で、もっと左右の引き分けが明瞭な演奏だったらと思えました。


モーツァルトも、ショパンも、耽美に耽る事を敢えて避けるかのようなリシエツキ、彼が背筋を伸ばして演奏している時にはそれを意識しているかのようで、悪く言えば淡々とした表情でもあります。

しかし、背筋が少し丸まり、ピアノに対して傾斜して弾き出す強奏部分などでは、かなり情熱的な表情にもなり、メリハリの効いたスケール感もあったりします。

モーツァルトの最終楽章「トルコ行進曲」、ショパンの練習曲「革命」では、端正さと力強さ、そして芯のある音色の美しさがとても良かったと思います。


それでもショパンでは「ショパンを聴いている気に余りならない」のが特徴的で、滴るようなロマンティシズムは敢えて隠し、アゴーギクやデュナーミクなどは多用しないスタイルです。

それでも響きそのものは美しく、まだ17歳である事を考えると今後が楽しみなピアニストですね。


休憩後の後半は12の練習曲だけでしたので、前半に比べて明らかにバランスを欠くプログラムでしたが、それを補うためではないのでしょうが、アンコールはショパンの

12の練習曲 作品25より

 第11番 イ短調 「木枯らし」

 第 2番 ヘ短調

 第 9番 変ト長調 「蝶々」

を聴かせてくれました。


独墺のロマン派の楽曲の方が、或いは思い切ってリストのような楽曲の方が、リシエツキに向いているようにも思えたのですが、これはまぁ素人考えかもしれません。