cogito ergo sum Sol Gabetta (vc)


チェロ協奏曲 第 1番 変ホ長調 作品107

Lorin Maazel指揮

Münchner Philharmoniker

(ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団)

2011年録音(ライヴ)


Rachmaninov - チェロ・ソナタ ト短調 作品19

Olga Kern (p)

2012年録音

レーベル:Sony Classical


演奏 ☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)


ユニーク、かなりユニークな演奏だと思います。

協奏曲は遅めのテンポで始まりますが、アタックが強い事もあり、かなりカクカクした演奏で、それはガベッタのみならず、オケも同様なので演奏が止まってしまうのではないかと思える程の違和感を覚えます。

ショスタコーヴィチの楽曲にはデモーニッシュな側面を持つものもありますが、誤解を恐れずに言及すると、この演奏にはデモーニッシュを超えてグロテスクさを感じさせる独特のものを感じます。

エネルギッシュで情熱的な演奏には、他にない魅力もあるとは思いますが、個人的にはショスタコーヴィチのチェロ協奏曲第1番を聴く方にとっての最初の演奏が、これでない事を願ったりもします。

ラフマニノフのチェロ・ソナタに関しても、協奏曲程ではありませんが、やはり情熱的な側面が高く、実際のガベッタの性格は勿論知りませんが、気性の荒さを感じたりもします。

特に第3楽章のAndanteなどでは、ラフマニノフらしい滴るような甘美さが欲しかったりするのですが、甘美、繊細、優しさとはちょっと無縁なガベッタ...。

情熱的でエネルギッシュさは魅力の一つですが、そればかりで押してこられてもちょっと疲れたりします。

アルゼンチン生まれのガベッタ、何だかなるほどぉ~、とか思ったりもします。


録音 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)


音響的にはとても楽しい録音です。

鮮やかな音の立ち上がりと切れが素晴らしく、奥行き感も上々で、実在感が高いと言うより臨場感が高いと言った方が良さそうな気迫が感じられる録音です。

定位も良く、ウォールナット系の感触がありながらも、温度感もとても高く、見通し感にも優れていますので、響きを純粋に楽しむ事が出来ます。

協奏曲はライヴ録音ですが、聴衆ノイズは私には全く感じられませんでしたし、ステージノイズも数ヵ所僅かに聴こえる程度です。

面白いのは、チェロの響きにセッション録音とライヴ録音との差異が殆んど感じられず、どちらもとてもフォーカスが良く、存在感が極めて高い事です。

ただ、協奏曲に関しては、実際のコンサートでは有り得ないんじゃないかと思える程、チェロの存在感が高過ぎて、「造られた音」を感じたりもします。


(画像をクリックしていただくと、HMVの当該サイトへリンクしています)