cogito ergo sum 塚谷 水無子 (org)


2012年録音

レーベル:Pooh's Hoop


モーツァルト、メンデルスゾーン、そしてリストも演奏したことのあるオランダ、ハーレムの聖バフォ教会の大オルガン(クリスティアン・ミュラー、1738年制作)によるゴルトベルク変奏曲です。(HMV解説より)





演奏 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)


53分50秒と言う収録時間ですが、リピートを省略して演奏しているからで、テンポそのものは違和感を抱かせる事はありません。

私の好みからすると、リピートをも演奏して欲しいと感じますが、それは人それぞれの好みでしょう。

HMVの解説にも『塚谷はまるでバッハ自身がストップの指定をしたと思えるほどの巧みなレジストレーションで美しい響きを作り出しております。』とありますが、まさにその通りに感じられ、奇異な点やこれ見よがしのストップではなく、とても楽曲にマッチした選択をしていると思います。

細かい事を言えば、最後のアリアの再現の前の第30変奏では、もう少し高揚感が欲しいと思いますし、そう思えば全体的にもやや淡々としているかも知れませんが、余りオルガンに向いているとは思えないゴルトベルク変奏曲を、ちゃんと「聴かせる」事が出来ているように感じます。


録音 ☆☆ (評価は5つ星が満点です)


そんなに酷評されるべき録音ではないかもしれませんが、演奏の素晴らしさをかなり演繹して感じなければならない録音で、はっきり言って演奏は悪くはないのに、録音の拙さがアルバム全体の価値を落としてしまっていると感じます。

HMVの解説によれば、『録音担当のダニエル・ファン・ホルセン氏は自身も大学時代にオルガンを専攻していたこともあり、オルガン音楽、教会の響きの録音特性も知り尽くしていることからオルガンの録音には非常に定評があります。当録音ではワンポイント録音を採用し、臨場感に富んだ演奏を楽しむことができます。』とありますが、私にはそうは思えません。

残響が極めて豊かなのは良いのですが、オルガン特有の送風音も含め、暗騒音は極めて高いレベルで収録されています。

又、時折ブリキのバケツがぶつかり合うかのような機械的な騒音も明瞭に聴こえる部分もあり、全体的には音の輪郭は不明瞭と言えます。

低域にもタイトさがないばかりか、量感も足りておらず、音響的な愉悦感はかなり低いとさえ言えます。

しかしながら、高さや幅の広さは感じられる音場です。


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