cogito ergo sum Trio Hochelaga


ピアノ三重奏曲

ピアノ四重奏曲(ダンディによる補筆版)

Teng Li (va)


2011年録音

レーベル:Atma Records






演奏 ☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)


24歳という若さで病死してしまったベルギーの早熟の天才作曲家、ギヨーム・ルクー(Guillaume Lekeu:1870-1894)は、ラフマニノフの2歳年上と言う世代の作曲家です。

如何にも後期ロマン派らしいその作風は、しっとりとしていてやや暗く、それでもフランスものの流れをくむかのようなセンスの良さが感じられます。

単にメロディックなだけに終わらず、構成感もあり、HMVの解説にあるように、明暗、或いは強弱の対比も素晴らしい楽曲だと思うのですが、演奏が...。

これまたHMVの解説によれば、『トリオ・オシュラガは2000年に結成されたカナダが誇る名団体』とありますが、私にはそのようには聴こえません。

明白な不安とは言えませんが、技術面でも有無を言わせぬものがある様には思えませんし、それ以上にトリオ、或いは四重奏時にもですが、各人が他のメンバーの演奏をちゃんと聞いてアンサンブルを織り成そうとしている様な雰囲気が感じられません。

強奏時にはゴツゴツと響きがぶつかり合っている様な印象を受け、特に包容力を持ってアンサンブルをまとめるべきピアノにその余裕がない、或いは心配りがないように聴こえます。


録音 ☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)


ヴァイオリン、チェロ、四重奏曲ではヴィオラにも音の輪郭には明瞭さがありますが、ピアノには低音域の混濁感があり、強奏時には特にそれを感じますが、演奏スタイルに起因するものかも知れません。

結果的には見通し感に優れず、ロマンティックな楽曲を楽しませるに十分な潤いのある透明感が不足している印象を受けたりもします。

定位は比較的明瞭で、温度感もちゃんとあり、木質系の静寂も感じられますが、奥行き感にも今一歩の感触を否めない録音ですが、特筆するほど出来が悪いとは言えないとは思います。


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