cogito ergo sum Klaus Simon指揮

Holst Sinfonietta(ホルスト・シンフォニエッタ)


ハープシコードと小編成のオーケストラのための協奏曲 H.246

Robert Hill (cemb)

室内音楽 第 1番 H. 376

ロンド H.200

バレエ 「調理場のレビュー」 H.161


2009年録音

レーンる:Naxos



演奏 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)


協奏曲、室内楽曲、管弦楽曲とマルチヌーの楽しい楽曲を集めた1枚です。

ハープシコード協奏曲は、ピアノとの二重協奏曲のように思える側面もありますが、マルチヌー風バロック音楽と言った処です。

ただ、録音の問題か、編成の問題か、肝心のチェンバロの響きがかなりこじんまりとして聴こえ、演奏にもまとまりがないようにすら感じられてしまいます。

室内音楽は3楽章の急緩急の古典的な構成で20分強の楽曲ですが、これまた構成同様に古典的な楽曲をマルチヌー風の味付けにした印象を持ちます。

ロンドは6楽章からなる15分強の楽曲で、個々の楽章は短いのですが、これまた楽しい要素が高いです。

そして「調理場のレビュー」と言う変わった名前のバレエ音楽。

10曲構成の20分強の楽曲で、短いものは23秒、最も長くても4分44秒というものです。

チャールストン、タンゴをも取り入れた色彩感の高い楽曲で、これまたマルチヌーの魅力が楽しめます。

マルチヌー自身はチェコ出身ですが、33歳から51歳までをパリで過ごしているからか、フランスのエスプリを感じさせる面が強いと私は思います。

ちょっとおどけたようで、それでいてお洒落な音楽、そしてそこには品の良いセンス、ユーモアがあります。


録音 ☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)


編成が異なる楽曲を集めていますので、録音の印象も楽曲により異なります。

特にハープシコード協奏曲では違和感を感じる録音で、まずチェンバロの音色はかなり滲みを感じますしフォーカス感も悪いとさえ言えます。

ピアノもチェンバロよりはマシと言った印象で、明瞭さを書くのですが、何故かオーケストラに関しては、かなり明瞭かつ明確な響きに感じられ、音の立ち上がりは鋭いを超えて唐突とさえ感じます。

まるでチェンバロ、ピアノ、オーケストラは別々に録音して、後にミックスダウンしたかのような不自然な印象を受け、悪い意味での「人工的な」印象がある録音です。

その他の楽曲の録音は総じて良く、「料理場のレビュー」に至っては、温度感と実在感の高さが感じられ、明確な定位と明瞭な音の輪郭、そして奥行き感も良好で、楽しい音楽を十二分に満悦できる出来栄えだと思います。


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