ピアノ・ソナタ 第14番 嬰ハ短調 「月光」 作品27-2
ピアノ・ソナタ 第 5番 ハ短調 作品10-1
ピアノ・ソナタ 第 7番 ニ長調 作品10-3
ピアノ・ソナタ 第25番 ト長調 「かっこう」 作品79
録音:1997年(第14番、第25番)1998年(第5番、第7番)
レーベル:ABC Classics
ジェラード・ウィレムスによるベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集のDisk2です。(全集は9枚組Box)
Disk1 ピアノ・ソナタ 第21番 / 第6番 / 第24番 / 第30番
もご参照ください。
演奏 


(評価は5つ星が満点です)
派手さはなく、華麗さも程々の演奏ですが、何故か「味のあるベートーヴェン」と感じます。
「月光」など、特に淡々とした演奏にも思えますが、その背景にある「流されない穏やかさ」には、一聴した処の「普通さ」とは裏腹な奥深さを感じたりもします。
第5番、第7番では、「月光」が穏やかだっただけに、力強さも印象的ですが、それでも恣意的な表現の違いでアルバムに変化をもたらそうとしたのではなく、楽曲に対しての真摯なアプローチだと思えます。
ただ、1997年録音の「月光」「かっこう」が穏やか気味で、1998年録音の第5番、第7番には、力強さを感じますので、録音に臨んだ際のウィレムスの心境の違いはあるのかも知れませんが...。
録音 


(評価は5つ星が満点です)
録音年の違いにに於ける印象の相違が、演奏から受ける印象の相違に結びついているかも知れません。
1997年の録音、特に「月光」では、Stuart & Sonsの特徴であるフォルテ・ピアノに近いモダン・ピアノの響きが印象的で、1998年録音のものとは異なるモデル(ウィレムスはこの全集ではStuart & Sonsのモデル100、101、103を使い分けています)を使用しているのかと思いました。
実際には、Disk2は全て100で演奏されていますので、録音に因る印象の違いと思いますが、1997年の録音には、少し見通しが悪く、響きに翳りを感じる面があります。
対して1998年録音の第5番、第7番は、よりモダン・ピアノに近い響きに感じられ、低音弦の震えが伝わってくるかのような実在感、すっきりとした音の見通し、美しい音の粒立ちがあり、音響的にもとても素晴らしいと感じます。
(下記画像をクリックしていただくと、HMVの当該サイトへリンクしています)

