cogito ergo sum Olli Mustonen (p)


12の練習曲 作品8

6つの前奏曲 作品13

5つの前奏曲 作品16

ピアノ・ソナタ 第10番 「トリル・ソナタ」 作品70

詩曲 「焔に向かって」 作品72


2011年録音

レーベル:Ondine




演奏 ☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)


1967年ヘルシンキ生まれのムストネン、北欧の凛とした響きには、少し硬質で冷やかな風を感じますが、それもムストネンが北欧出身だと知って聴いているからかも知れません。

決して寒々しい演奏ではなく、むしろ強奏部分でのダイナミックさには熱さも感じ取れますが、楽曲に馴染みのない事もあり、卓越し流暢な指さばきが全体的には「冷静さ」を私に感じさせているようです。

スクリャービンは手持ちも少なく、殆んど聴いていない作曲家ですが、こうしてピアノ独奏曲を聴くと、やはり構成感を感じさせる私好みの独墺風の楽曲ではなく、流れを感じさせるフランスものの印象があります。

作品番号の若い練習曲、前奏曲には、ロマン派の薫りも嗅ぎとれますが、ピアノ・ソナタ、詩曲となると、難解ではありませんが現代っぽい流れの音楽に思えます。

構成感を訴求する楽曲でないからか、ムストネンの声部の描き分けも余りはっきりとしている様には感じられず、強弱の対比は鮮やかですが、音色に多彩さがある様には感じませんでした。


録音 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)


やはりC-1000fの力でしょうか、良好な録音での静寂感は今まで聴いていたC-800fとは次元が異なる印象があり、漆黒の水面に波紋が広がるかのようなピアノの響きが美しいです。

音場はあくまでも自然にスピーカーの内寸の間に現れますが、強奏時には響きが左右に広がり、上方向へも自然と響きが立ち上って行く印象です。

低音弦の震えが感じられれる実在感もありながら、高域には殆んどキツさを感じない仕上がりです。


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