cogito ergo sum Streicher der Berliner Phillharmoniker

(ベルリン・フィル弦楽アンサンブル)

Kammerchor CREDO

(クレド室内合唱団)

Therese Affoltr & Christian Brückner(朗読)


2011年録音(ライヴ)

レーベル:IPPNW






演奏 ☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)


詳しくはHMVの解説をご参照頂ければと思いますが、2011年4月26日、ベルリンにておこなわれた1945年に広島と長崎に投下された原爆、1986年のチェルノブィリの原発事故、さらに2011年3月11日の東日本大震災による福島第一原発事故の犠牲者に捧げられた演奏会のライヴだそうです。

ウクライナの作曲家、Kyrylo Stetsenko(1882-1922)のア・カペラの合唱曲に始まり、男女の朗読の間に、室内交響曲(弦楽四重奏曲第8番の弦楽合奏版)が挟まれて進んで行きます。

終盤にはタネーエフのカンタータ第1番「ダマスコのイオアン」からの一部がやはりア・カペラで歌われ、再び朗読があり、室内交響曲の終楽章で終わります。(収録時間は1時間5分)

このような「イベントの記録」に対して演奏評価はすべきではないのかも知れませんし、普通のクラシック音楽のライヴ録音とは全く異なる形の演奏ですが、敢えて演奏の印象を記せば、「重みはあるが楽曲を楽しむようなアルバムではない」となります。

室内交響曲の名に恥じない重厚な響きが印象的ですが、余りアンサンブルが整っているとは感じられません。

IPPNW(International Physicians for the Prevention of Nuclear War)とは『核戦争防止国際医師会議』だそうで、日本にも支部があるようです。

朗読されるテキストは全てドイツ語なので、私には99.9%理解できませんが、反戦反核の内容だと思われます。

楽曲とこのイベントとのテーマはとてもマッチしてはいるように感じますが...。


録音 ☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)


再生が始まった途端にライヴの雰囲気満載の暗騒音が印象的です。

恐らく朗読はマイクを通しているのだと思いますが、特に女性の朗読では音響的な愉悦があったりします。

しかし肝心の(本当に肝心なのかはちょっと疑問ですが)弦楽合奏は、かなり表面の荒れた印象を受ける弦の響きで、展開される音場も中央に集まってしまっています。

低域の迫力と量感はかなりのもので、それが演奏に重みをも与えていますが、ちょっとバランス的には中高域が弱いようにも感じます。

とても高い温度感と実在感を得られますが、「音楽の演奏」としての録音として考えた場合、余り優れているとは思えません。


(画像をクリックしていただくと、HMVの当該サイトへリンクしています。)