次期プリアンプの有力候補、ジェフ・ローランドのコーラスをお借りして自宅試聴を行いました。
とても魅力的なプリアンプですね。
生き生きとした音楽表現には、力強さが感じられ、音量を下げてもその力に陰りが見えないのが素晴らしいですが、筋骨隆々をアピールするのではなく、『お洒落なスーツ姿の下には、見事に鍛え上げられたボディが隠されている』と言った雰囲気です。
スピード感も高くダイナミックで、その外観に相応しく『スタイリッシュ』な印象です。
奥行き感も全く問題なく、左右、上方向への広がりも十分で、これは左右へのセパレーションが良好だからだと思いますが、入出力端子は完全に左右対称となっていて、デュアル・モノ構成なんだと思います。
特筆できる素晴らしさは、現代的に洗練されたクールさにあります。
良い意味でタイトでソリッドな音の印象が強く、特に低域のそれは恐ろしく魅力的。
音響的な愉悦はとても高く、一度この再生音を聴いてしまうと、コーラスの虜となってしまいそうです。
しかしそのソリッドさには少し硬質感が残る響きがあり、潤い感は非常に優れていますし、華やかさもありますが、『高貴さ』を感じさせるような側面はありません。
静寂感、音場の透明度も高級機として恥ずかしくないレベルですが、このクラスのプリアンプとしては特筆するほどではないかも知れません。(けれども十分なS/Nだと思います)
充分高精細な再生音ですが、録音に含まれているノイズ成分、ステージノイズや聴衆ノイズ、或いは暗騒音が少し気になったりする精細さかも知れません。
又、音の輪郭もしっかりしていますが、一音一音が真珠のように磨き込まれた美音系の感触ではなく、躍動的で生気溢れた演奏は楽しく聴かせてくれますが、優しさや繊細さの表現力は十全ではないかも知れません。
しかしながら、ジャンルを全く選ばない素晴らしい再生をしてくれて、ちょっとレトロな傾向の私のシステムから、今まで聴いた事のないような現代的な響きを感じました。
C-1000fでは力不足を感じさせたパワーアンプさえ、実に堂々とスピーカーを鳴らしている印象があったりして、コーラスの底力、或いはシステムへの支配力の強さは尋常ではありません。
ジャス、フュージョンは殊のほか鮮やかですが、スモーキーなジャズクラブで聴いている印象ではなく、とてもセンスの良い調度品が設置されている綺麗なクラブで聴いている印象です。
ロック、ポップスは本領発揮とばかりの素晴らしさ、楽しい事この上ありません。
そして、メタルでさえ、私のシステムで十分楽しめる再生音で聴かせてくれて、これには感動さえ覚えました。
まさか、私のシステムでメタルを楽しく聴けるとは思ってもいませんでしたので、夢のようでした...。
とても魅力の高いプリアンプ、コーラスですが、ジェフ・ローランドではセカンド・モデルです。
この上には、バッテリー駆動を前提として2筐体で構成されるCriterion(クライテリオン)が存在します。
増幅回路はコーラスも、クライテリオンも全く同一との事ですが、電源部の違い、そのバッテリー駆動を前提とした電源部(勿論AC駆動もできますが)の効果は凄まじいとオーディオ雑誌やネットの情報にあります。
しかし、クライテリオンは税抜き定価で¥2,780,000、ちょっと手が出ません...。(コーラスは¥1,650,000)
又、音の傾向性はクライテリオンも同じだと思うのですが、クラシックを主に聴く環境ですので、LuxmanのC-1000fが聴かせてくれた、磨き抜かれた真珠の様な美音が私には好ましく思えます。
音場の透明度と音の輪郭の明瞭さもC-1000fの方が優れていますし、C-1000fの『高貴さ』を感じさせる響きに比べると、ジェフ・ローランドのファッショナブルな現代的な響きも諦めざるを得ない印象です。
ジェフ・ローランドの持つ力強さは諦め切れない魅力なのですが...。
私にはあり得ない事ですが、ちゃんとしたオーディオ・ルームを所有していて、そこにはメイン・システムが存在するとして、リビングに置く機器を探しているのなら、(そして十分お金持ちなら、)コーラスはセカンド・モデルだからこそ、とてもお買い得で、そして必要とされる以上の再生でリビング・ルームを彩ってくれるとベスト・バイだと思います。
勿論、そのリビングには上品でお洒落な北欧家具が必要ですし、そうでなければコーラスが勿体ない...。
その時のパワー・アンプは同じジェフ・ローランドのセカンド・モデル、M625が似つかわしいでしょう。
M625
スピーカーはB&Wのセカンド・モデル、802Diamondがベストかもしれませんし、このセカンド・モデルたちはリビングで途方もなく素晴らしい音楽を聴かせてくれるでしょう。
B&W 802 Diamond
まぁ、これは私にとっては妄想のリビング・システムですけどね...。
(そもそも、今現在が狭いマンションのリビングにメイン・システムを何とか置いている状況ですから...)
下が現有機のC-800f、上がコーラス。(コーラスの上に乗っているのは、別筐体の電源ボックスとリモコンの受信ユニットですが、画像の撮り方が悪くて分かり難いですね...)
筐体はとてもコンパクトで、一般的な大きさと言えるC-800fと比較して、幅と高さは一回り小さいです。
フロントパネルはジェフ・ローランドのアイデンティテーである仕上げがとても美しいです。
かなり多機能で、左右別々に位相を設定出来たり、各入力の名称を用意された多くのリストから選択も出来ますし、新たに名前を付ける事も出来ます。
又、パネルの照明に関しても、3段階での設定が出来る上、操作が終わってから5秒で消灯、15秒で消灯とが選択設定できます。(勿論、常時点灯も可能です)
ただ、本体でのボリューム調性はかなりセンシティブで、思った数値にピタッと簡単には合わせられませんが、そもそもボリュームの設定幅は非常に広いので、余り神経質にならなくても良いかもしれません。
上からの画像です。
これまた分かり難いですが、黒い部分までがコーラスで、その下がC-800f。
奥行きはかなりコンパクトで、前面パネルはなだらかなラウンド形状となっています。
細身ですが大きめのリモコンで、アルミ削り出しなので重量もかなりあります。
ボタン類が小さいのが、私にとっては少し扱いにくいと感じましたが、慣れの問題でしょう。
又、左右のバランス調整は、多機能なメニューから入って選択設定するので、リモコンからワンタッチと言う訳ではありませんが、これも慣れれば問題ない範囲だと思います。
本命のC-1000fに対して、独特の魅力で十分試聴を楽しませてくれたCorusでした。
しかし、残念がら私にとっての本命は、やはり依然C-1000fです。
Next Challenger is coming soon!!




