cogito ergo sum 3本の椰子の木 作品120

Talia Or (S), EOS-Quartett Wien

弦楽三重奏曲 作品48

松井香奈 (vn), Johannes Flieder (va), Christoph Stradner (vc)

トランペット協奏曲 第 1番 変ロ長調 作品94

Jürgen Ellensohn (tp), Gérard Korsten指揮

Symphonieorchester Vorarlberg

(フォアアールベルク交響楽団)

2010年録音(ライヴ)

レーベル:NEOS



演奏 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)


2010年オーストリア・ブレゲンツ音楽祭で行われたヴァインベルグの大規模な回顧作品展のライヴ録音の1枚ですが、このアルバムには傾向の異なる楽曲が収録されています。

「3本の椰子の木」はソプラノ独唱と弦楽四重奏に拠る楽曲で、ミハイル・ユーリヴィッチ・レールモントフの同名の詩による作品だそうです。

どのような内容なのかは全く分かりませんし、適度に前衛的な楽曲ですが、グロテスクさは皆無で、先鋭的な部分は殆んどないので違和感も抱く事は無かったです。

ただ、EOS四重奏団の演奏には少しだけ縦糸があっていない場面もあったりしますし、完璧なアンサンブルとは言えないかもしれません。

弦楽三重奏曲はかなり繊細さを感じる楽曲、演奏で、日本人ヴァイオリニストの松井香奈さんをはじめヴィオラ、チェロともとても素晴らしい演奏だと感じます。

詳しくは分かりませんが、松井香奈さんはウィーン交響楽団のコンミスを務めていた事もあるようです。

そしてトランペット協奏曲、とても楽しい楽曲で小難しさは一切感じません。

メンデルスゾーンの結婚行進曲などのパロディも織り込まれ、全く破綻しないユルゲン・エレンゾーンのトランペットも素晴らしいと思います。

オケの演奏も丁寧でいながら楽しさを忘れない素晴らしいものだと思います。


録音 ☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)


ライヴ録音なので仕方ありませんが、背景の暗騒音は比較的高く、咳や咳払いと言った聴衆ノイズも頻度は低いものの、かなり克明に聴こえてきます。

その割には楽器の質感が伝わってくるかのような精細な印象も受ける録音で、弦楽三重奏曲などはかなりレベルの高いものだと思います。

トランペット協奏曲も全体的には悪くない録音ですが、トゥッティでは少し音の見通しが損なわれているような気もしますし、音の輪郭にも少し物足らなさを感じます。

このシリーズは5枚発売されましたが、このアルバムとチェロ・ソナタ、ピアノ五重奏曲を収めたアルバムだけがCDフォーマットでのリリースでした。(チェロ・ソナタ、ピアノ五重奏曲のアルバムは未購入です)

他はSACDでしたが、このアルバムもSACDでリリースされていれば、より演奏を楽しめる録音に仕上がったのではないかと残念に感じます。


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