人の声がメインとなる声楽曲は、それが合唱であれ、独唱であれ、オーディオ機器の肌触りを判断できるジャンルかもしれませんね。


J. S. Bach - ミサ曲 ロ短調 BWV 232 より Kyrie (CDフォーマット)
Michel Corboz指揮
Ensemble Vocal & Orchestre de Chambre de Lausanne
(ローザンヌ声楽器楽アンサンブル)

cogito ergo sum
K-01

幅広く雄大に再現される音場ですが、少し雑然とした印象もあります。

声楽陣が実際以上に人数が多く聴こえるような処に、必要以上の音が再生されている気がします。


XDS1

横幅よりも上に響きが伸びる印象です。

余分な響きを排しているためか、合唱陣は自然な人数で厳かに歌っている印象を受けます。


Mozart - レクイエム ニ短調 K.626 より Requiem~Kyrie Eleison~Dies Irae (SACDシングルレイヤー)
Karl Böhm指揮
Wiener Philharmoniker
(ウィーンフルハーモニー管弦楽団)
Konzartvereinigung Wiener Staatsopernchor
(ウィーン国立歌劇場合唱連盟)
cogito ergo sum
K-01

X-03SEで聴いた時に感じた「重さ」は随分と影を潜めた感じがするのは、音を上手く整理しているからだと思いますが、リマスターされたSACDシングルレイヤーと言えど、録音の古さも感じさせます。

全体に雑然とした雰囲気が音場を覆っている印象があります。


XDS1

K-01での再生から、より雑然とした雰囲気を除いた印象で、結果ボリュームを上げて聴く事が出来ます。

それでもやはり録音の古さは否めない処があり、SACDシングルレイヤーとしての音響的な素晴らしさよりも、リファインされた名演奏を聴いているという印象です。


Lassus - 死者のためのミサ より Kyrie (CDフォーマット)
The Hilliard Ensemble

cogito ergo sum
K-01

これ以上美しい響きがあるのだろうかと思うほど清澄な少人数の男声合唱が素晴らしいです。

広い音場に描き出されるハーモニーは極上です。


XDS1

美しさはK-01に引けを取らないのですが、音場の現れ方が異なります。

度々感じた事ですが、必要な処にしか音場を感じない再現で、ともすればこじんまりとした印象も持ちかねませんが、ひょっとするとこれが自然な響きなのかも知れません。


Orff - カルミナ・ブラーナ より Fortuna Imperatrix Mundi (CDフォーマット)

James Levine指揮

Chicago Symphony Orchestra & Chorus(シカゴ交響楽団&合唱団)

Glen Ellyn Children's Chorus (グレン・エリン児童合唱団)

cogito ergo sum
K-01

スペクタキュラーな楽曲ですが、意外と音場は迫力のある広大なものではなく、丁寧に整えられて展開される印象で、打撃系の響きにも鋭利さはなく、じっくり味わえるカルミナ・ブラーナを聴かせてくれます。


XDS1

K-01以上にこじんまりとした音場再現かと思いきや、音響的にK-01を凌ぐものがあります。

鋭利にならない程度に鮮烈な事も印象的ですが、何と言っても音場が広く高いです。

それでいて合唱陣の人数さえ数えられるような気がする精緻さと、全体に漂う穏やかさとが同居しています。


これまでも度々あったのですが、K-01で聴いた後、XDS1だとこうだろうな、と言う予想に反する再生が多かった気がする声楽曲の再生でした。

やはり音場に関して、広大なスクリーンに響きを投影するK-01に対して、無音であろう部分には完全な無を与えるXDS1の音場再現とが顕著な違いと感じます。

大きな窓越しに見る景色は、安全で心地よい室内にいる安心感と、それだからこそ感じられる広大さを楽しめますが、窓の外に出で眺める世界の自然さは、今まで経験した事のないものでもあります。