2009年録音
レーベル:Gramola
演奏 ![]()
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(評価は5つ星が満点です)
初めて聴くピアニストですが、イングリッド・マルゾナー(でいいのかな?)はオーストリア出身で、11歳でグラーツ音楽大学のマスタークラスで学び始めた天才肌のようです。
1970年生まれのようですので、若手と言えるかどうかは疑問ですが、とても印象深いゴルトベルクを聴かせてくれます。
静かにゆっくりとしたアリアに始まり、第1変奏ではいきなり飛び跳ねるかのような強めの演奏、第2変奏ではほとばしるような疾走で駆け抜けたりと、多彩な表情を見せるのですが、実際には言葉であらわす程の極端な演奏ぶりではないので自然に彼女の世界に引き込まれてゆく感じです。
大半の変奏曲では全ての音符にスタッカートが付いているかのような演奏ですが、しっとり弾く場面もあります。
それでもどの変奏曲も最後の音を余り伸ばさない、すぱっと終えて間を取って次の変奏に入る感じが新鮮です。
「全ての音に価値が宿っている」と教えてくれるような、一音一音が明晰な響きですが、全く理屈っぽくはなく、その響きも基本的に木質系の肌触りで、スタインウェイを使っているのですが、フレームが鋼鉄で出来ている楽器を演奏しているように聴こえないのも素敵だったりします。
ただ、敢えて余韻を残さない演奏ですので、しっくりこないと仰る方も多いのかも知れません。
録音 ![]()
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(評価は5つ星が満点です)
録音もとても魅力的です。
上述の木質系の響きは独特なのですが、そこには真剣に臨みながらも肩の力の抜けている演奏ぶりが見えるかのような実在感も感じられます。
完全な静寂ではなく、音楽が奏でられている場の「空気」を感じさせる処も素晴らしければ、音の粒立ちや立ち上がりも良好で、見通しの良さも特筆できると思います。
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