cogito ergo sum チェロ協奏曲 第 1番 ト短調 作品49

チェロ協奏曲 第 2番 ハ短調 作品77

Marina Tarasova (vc)

Veronika Duderova指揮

Symphony Orchestra of Russia(ロシア交響楽団)


ヴァイオリンとピアノのための即興曲 作品21-1

ヴァイオリンとピアノのためのロンド 作品69

Natalia Likhopoi (vn), Ludmilla Kuritskaya (p)


1993年録音

レーベル:Alto


演奏 ☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)


ショスタコーヴィチと同世代のロシアの作曲家カバレフスキー、ショスタコーヴィチとは異なり政府に気に入られてたらしいですし、音楽教育者としてはかなり評価も高いらしいです。

そのカバレフスキーがソビエト連邦の青年(演奏者と聴衆の双方)に捧げる協奏曲3部作を構想し、第1作目のピアノ協奏曲の次に完成したのがチェロ協奏曲第1番との事です。

3楽章構成の19分ほどの楽曲で、編成も小さなオケとの協奏曲だと思われますが、時代背景から考えるとかなりロマン派っぽいというか、ロシア情緒たっぷりと言うか、分かりやすく親しめる楽曲だと思います。

対してチェロ協奏曲第2番はかなりの力作で、やはり3楽章構成ですが途切れることなく演奏され、このCDでも1トラックで収録されています。

様々な側面、展開を見せるのですが、少し散漫で全体の構成感統一感は減じられている印象も受けます。

ロシア情緒もかなり引っ込み、多少は冒険的な現代音楽の雰囲気も感じさせたりもします。


マリーナ・タラソワは1960年生まれのロシアの女流チェロ奏者です。

様々なコンクールで賞を獲得しているようですが、「上手い」を印象付けるような演奏スタイルではないように感じます。(勿論、下手な訳はなく上手いんでしょうけど...。)

オケも「上手さ」を押しつけるような演奏ではなく、協奏曲と言う意味ではもっとスリリングなヴィルトゥオーソな演奏を期待したりしますが、これはこれで味のある演奏だと思いますし、楽しんで演奏している様子が伺えます。


ヴァイオリンとピアノのための楽曲は短いものですが、ちょっと素敵な印象もあったりします。

ヴァイオリンのナターリヤ・リホポイは1990年のチャイコフスキーコンクールの第4位入賞者(同年の第1位は諏訪内晶子)だそうですが、艶やかなヴァイオリンの響きが美しいです。

ピアノのルドゥミラ・クリツカヤもヴァイオリンを引き立てる演奏でありながら、十分ピアノの響きの美しさも伝えてくれますが、この方の詳細は全く分かりません...。


録音 ☆☆☆☆☆ (評価は5つ星は満点です)


協奏曲の演奏が始まった途端に瑞々しく艶やかな響きに魅了されます。

潤い感満点の残響も美しく、温度感や実在感も極めて高い録音には、微細な表現を伝えてくれる精細さもあります。

ヴァイオリンとピアノの楽曲も同様に感じられ、協奏曲との相違は残響の感触ですが、温度感や実在感はこちらも高い印象を受け、定位もしっかりしていて、ピアノの響きには零れ落ちるしずくのような美しさを感じる事も出来ます。

立体感も十二分に再現されている録音だと思います。


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