開場:18:00 開演:19:00
ザ・シンフォニーホール
Wagner - 楽劇「ニュルンベルグのマイスタージンガー」より
第1幕への前奏曲
Dvořák - チェロ協奏曲 ロ短調 作品104 B.191
Mischa Maisky (vc)
Tchaikovsky - 交響曲 第 6番 ロ短調 「悲愴」 作品74
西本智美さん、精力的なコンサート活動ですよね。
今回のツアーも11月21日から12月11日までの21日間に全国各地で18回ものコンサートをこなすんですね。
あの細い体のどこにそんなエネルギーが宿っているのか分かりませんが、働く働くって感じですね...。
さて、私にとっては2度目の西本さん&ラトヴィア国立響でしたが、編成以上の質量を感じさせる響きには、少しくすんだような深みがあり、それはそれで味なのかもしれません。
「上手いオケ」とは言えないかも知れませんが、個人個人の技量は在阪オケと比べると、特に管楽器などは優れているようにも感じます。
しかし、全体としてのまとまりには「?」が終始付きまとい、出だしの拍に不揃いは少ないのですが、音を弾き終える際の気持ちが一つになっていないと言う印象です。
ワーグナーも、マイスキーをソリストに迎えたドヴォルザークも、アンサンブルをきちんと構成できていない演奏でしたし、特に協奏曲でのマイスキーの演奏に余り華がなかったのが残念でした。
マイスキーは「エフネギー・オネーギン」からレンスキーのアリアをアンコールとして演奏してくれましたが、これって元々はテノール歌唱の曲でしょうか...、よく知りませんがかなり良かったです。
さて、メインとなる「悲愴」
楽曲の持つ力とでも言うのでしょうか、第1楽章の中盤から、憑き物が落ちたかのように、特にヴァイオリンが生き生きとしてきて、全体に熱い演奏に変貌してゆきました。
正直、第1楽章の当初は、アンサンブルが瓦解してしまう寸前のような印象さえあったのですが、謳いあげる旋律に気分も高揚したのか、響きにも艶やかさと深さが感じられるようになりました。
ただ、全体にどの曲もテンポが少し速めで、ほぼイン・テンポで進められるので、淡白で情感に薄い印象は否めません。
まとまりに少し雑味が感じられるのも残念で、決して乱暴であったりいい加減な演奏をしているとは思いませんでしたが、まだまだアンサンブルを上手く構成するには練習の余地がある、発展途上のオーケストラなんだろうなぁと思います。
アンコールには「くるみ割り人形」からパ・ド・ドゥを演奏してくれました。
西本さんの知名度からか、普段余りクラシックのコンサートに来られない方々も多かったようですが、幸い私の周りには「迷惑な聴衆」はいませんでしたし、全体としてはマナーは良い位でした。
コンチェルトの第1楽章が終わった時、拍手が少し起こったので予想はしていましたが、悲愴の3楽章後には大きな拍手が起こったのですが、西本さん、オケもそれを十分承知した間の取り方で第4楽章を始めていました。
私は楽章間の拍手に関しては、余り不快には感じませんが、出来れば全曲がちゃんと終わって余韻を楽しんだ後に拍手はしたいものですね。
でも3列前には、隣や前には座って欲しくはないような方もいましたね...。
悲愴の第2楽章では退屈したのか、プログラムを取り出してはペラペラと捲りはカバンに収め、また取り出してペラペラとしてはカバンにしまう男性がいました。
と思えば、第3楽章では、まるでメタルのコンサートのように頭を前後左右に揺らしてリズムをとっていましたが、隣の方や後ろの方はさぞ迷惑だったんじゃないかと思います。
私は直接的には迷惑ではなかったのですが、視野に入ってしまいましたので、ちょっと気になりました。
コンサートの楽しみ方は人それぞれですが、基本的にクラシック音楽は静寂を背景とした音楽を楽しむ事を前提としていると私は思います。
それをあからさまに乱すような聴き方は、余り褒められた鑑賞スタイルとは思えないのですが...。
