cogito ergo sum Claudio Arrau (p)


ピアノ・ソナタ 第 3番 変ロ長調 K.281

ピアノ・ソナタ 第 1番 ハ長調 K.279


1988年録音

レーベル:Philips







演奏 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)


クラウディオ・アラウは1903年生まれですから、このアルバムを録音した時には既に85歳だった訳ですね。

アラウ独特の節回しなのか、或いは年齢による衰えからか、早いパッセージでの「引っ掛かり」を時折感じたりしますが、音色はあくまでも明るく透き通っている印章を受けます。

一音一音を明確に弾いているので、「流れるような演奏」ではなく、一聴した処、何の変哲もない演奏のようにも感じます。

全く個人的な想いですが、モーツァルトの楽曲にはある種の「諦観」を得た演奏が必要なのではないかと感じていますが、その演奏がここにあると思います。

上手く枯れてきたピアニストのみが表現できるモーツァルト、と言ったら言い過ぎなのかもしれませんが、味わい深い演奏だと感じます。


録音 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)


中央から程良く左右に広がるピアノの響きが美しい録音です。

実在感も確かに感じられる録音で、低音弦の震えも伝わる印象があります。

時折、「カチカチ」とまるで鍵盤に爪が当たって起こるような音も聴こえるのですが、まさかそんな事はないですよね...。

明るく、そして適度な華やぎが感じられる静寂を背景に、これまた適度な質量感のあるピアノの響きを楽しめます。


残念ながら1枚もののアルバムとしては廃盤の様ですが、ピアノ・ソナタ全集は現在も販売されています。

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cogito ergo sum