dCS Puccini (税込み定価:\2,625,000.-)

cogito ergo sum 実はマーク・レヴィンソンNo512と同時に、dCSのPucciniもお借りしました。

やはりそれぞれの特徴を正確に測るには同時試聴がベストですね。

cogito ergo sum

No512とPucciniのツーショット、かなり贅沢な事だと思いますが、オーディオに興味のない方には「だから?」的な1枚です...。

これまた贅沢な忙しさでしたが、ラッセル・デイヴィスのブルックナー0番とブーレーズの春の祭典は、まず自分のX-03SE、次にPuccini、そしてNo512でと、続けざまに全曲聴くと言う荒行をこなしました。(笑)


それ以外にも試聴の定番を何曲か部分的に3機種で聴き比べると言う自宅試聴ならではの楽しさを堪能させて頂きました。



さて、Pucciniの印象です。

爽やかな明るさを持った音場再生はとても広々としたもので、左右は勿論、上方向へもかなり伸びやかに再現され、壁一面がスピーカーに感じられるほどです。

セパレーションはとても良いのにスピーカーの存在感は低く感じられるので、音場が自然に展開されます。

左右のバランスもとても整っている感じがして、まさに演奏が見えるような錯覚を抱かせます。


見通しの良さも抜群で、音色の描き分けも見事です。

例えば、フルートが2本で奏でる旋律も、それぞれの存在をはっきりと描き分けます。

これはトランペットやトロンボーン、はたまたヴァイオリンでも何丁か分かると言えば言い過ぎですが、そんな高精細な印象です。(イメージですよ、あくまでも!)

しかもその高精細さは、写実的な無味乾燥した冷たいものではなく、音楽を楽しむに適した描写です。

少し響きに厚みが足りない気もしますが、音楽的な高精彩を考えれば、これは自然な形かもしれません。

奥行き感もかなり感じられ、音像にもにじみがないので、かなり音楽を楽しめます。

ただ、響きに厚みがない事は、若干低域の量感不足にも感じられなくもなく、十分な迫力やタイトさは低域にもあるのですが、プロポーションは少しハイ上がりな感じがします。

ジャズなどは少しハイハットのシャリシャリ音が際立ってしまい、メインのヴォーカルやピアノ、ギターなどの響きを少し奥まって見せてしまうような印象もありますが、クラシックを聴くには余り問題を感じません。


間違いなく私の現有機、X-03SEよりは大幅に優れているのですが、或る意味エソテリックの延長線上に音楽的な明るさを足している音造りのようにも思えます。

X-03SEの上位機種、X-01D2なら同じような領域で音楽を聴かせてくれるのではないかとの思いもあります。

かなり高価なPucciniですので、X-01D2の後継機種、K-01の音を聴くまでは、ちょっと納得できないような値段ですね。


それでもPucciniはdCSの最も廉価なSACDプレイヤーで、一つ上位のPaganini Systemが税抜き定価7,100千円、その上の旗艦、Scarlatti Systemだと税抜き定価10,000千円と言うとんでもない価格です...。


Puccini、筐体も価格に見合った高級感が十分ありますが、リモコンに関しては驚くほど安っぽいです。

正直、リモコンはプレイボタンを押すだけにあるようなものですが、それでも2~3万円のミニ・コンポのリモコンの方がよほどましと思えるチープさは、何とかすべきじゃないのかと思います...。