開演19:00
ザ・フェニックスホール
Shostakovich - 弦楽四重奏曲 第8番 ハ短調 作品110
Brahms - 弦楽四重奏曲 第2番 イ短調 作品51-2
Brahms - ピアノ五重奏曲 ヘ短調 作品34
松田 康子 (p)
フェニックスホールには初めて足を運びました。
335席の小規模ホールで室内楽には丁度良い感じ。
変な話ですが、演奏が始まった途端に我が家のシステムで聴く音響との比較を思わずしてしまうような、そんな演奏者が身近な、そして文字通り楽器の質感がちゃんと伝わってくるような距離で演奏されるのが新鮮に感じます。
とても録音の良い演奏を我が家で聴く際に感じる実在感、温度感、楽器の質感の感覚が全く同じく感じられ、これはシンフォニーホールや京都コンサートホール、或いは兵庫芸術文化センター大ホールでは感じたことのない現象で、手前味噌ですが我が家のシステムも中々頑張ってるなと変な満足を感じたりもしました。
さてさて肝心の演奏ですが...。
弦楽四重奏を生で聴くのが初めてなので、偉そうなことは言えないのですが、全体に緊張感やスリリングな展開を感じられない演奏と感じました。
特にブラームスの四重奏曲などは、破綻の一歩手前(或いは破綻していた箇所もあったかな)と感じる有様で、全体に早めのテンポであっさりと、そして微細な表現に拘らないかのような演奏で、かなり物足りない印象でした。
ヴィオラやチェロの響きやフレージングは良い印象を受けましたが、ヴァイオリンが二人とも音程も怪しいと思えたり...。
アゴーギクやデユナーミクの振幅が控えめな演奏ということもあり、ショスタコーヴィチでは張り詰めたような緊張感が感じられず、ブラームスでは謳いあげるようなロマンティシズムが伝わってきません。
休憩を挟んでのピアノ五重奏曲は初めて聴く楽曲でしたが、とても素晴らしい曲でしたね。
演奏もピアノが編成の骨格となり全体をしっかりと支えながらも引っ張る印象で、薄かった緊張感も高まりました。
3楽章、4楽章では熱気も高まり、それまで感じていた物足らなさが払拭される演奏でした。
木質系の響きを十分楽しめる演奏でしたが、弦楽四重奏、或いはピアノ五重奏ならではの繊細な表現や微細な場面での神経の行き届いた丁寧さを実感できない場面が多かったのが残念でした。
それでも小さなホールでの室内楽を生で聴く楽しさは思っていた以上のもので、今後はもっと室内楽のコンサートにも足を運びたいと思います。
アンコールはピアノ五重奏曲の第3楽章を再度演奏してくれました。
さらにテンポが速くなり、コンサートを締めくくるにぴったりな、熱もこもった演奏でした。
