cogito ergo sum Leon Botstein指揮

London Symphony Orchestra(ロンドン交響楽団)


Popov - 交響曲 第 1番 作品7

Shostakovich - 主題と変奏 変ロ長調 作品3


2004年録音

レーベル:Telarc






演奏 ☆☆☆☆ (評価は5つ星満点です)


ガヴリイル・ポポフ(1904-1972)はソ連の作曲家で、ショスタコーヴィチの2歳年長になります。

交響曲第1番など進歩的な作品でセンセーショナルな成功を収めましたが、やがてショスタコーヴィチ同様、ソ連当局と衝突し、伝統的な音楽語法に転換し、体制に制約された作曲活動を後には送ったそうです。(Wikiより)


ポポフの第1交響曲、ロックしてます...。

3楽章構成ですが、第1、第3楽章はいきなりの8ビートで始まり、メタルのハートを持つプログレッシブ・ロックと言えば言い過ぎかもしれませんが、そんな印象を受けます。

無調の交響曲で少し暴力的ですらありますが、演奏が理知的で抑制が効いているのでグロテスクな感じはしないです。

鉄琴、木琴、スネアドラム、グランカッサ(大太鼓)、ティンパニーと打楽器の大活躍と金管の咆哮。

スペキュタクラーな楽曲ですが、ショスタコーヴィチのもののような理屈っぽさを感じる事がなく、言わば感性的な情の放出、昇華を交響曲化したような楽曲に感じられます。

ただ、全体としては取りとめのない処もありますし、緩徐楽章(第2楽章)は少し退屈なところもあります。


ショスタコーヴィチがまだ10代(15~16歳)の頃に書かれた「主題と変奏」は、驚くほど平穏で古典的な楽曲です。

優しさや爽やかさに満ちた楽曲で、主題はベートヴェンの「皇帝」協奏曲の緩徐楽章から発想されたかも知れないとライナーノートに記載がありますが、この主題そのものが短くもとても優美で優しい旋律です。

変奏も優しさ、優美さを失う事がなく、若き日のショスタコーヴィチが純粋なロマンティストであったことを想像させます。


録音 ☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)


SACDハイブリッド盤らしく、とても見通しが良く奥行き感もあります。

定位も極めて明瞭なのですが、少しセパレーションが良すぎると言うか、スピーカーの存在を意識させてしまう様な音場再生ではあります。

スペキュタクラーなポポフの交響曲ですが、迫ってくるような臨場感は薄く、鮮やかな音の立ち上がりはあるものの、少し奥に引いた感じの印象を受けます。

熱気や実在感は低いかもしれませんが、楽曲、演奏は十二分に楽しめる録音です。


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