cogito ergo sum Alexander Titov指揮

St. Petersburg State Academic Symphony Orchestra

(サンクト・ペテルブルグ交響楽団)


交響曲 第 9番 変ホ長調 作品70


劇場用音楽 「ロシアの川」 作品66

声楽交響組曲 「レニングラード生まれ」 (劇場用音楽 「祖国」 作品63

Chamber Choir of Smolny Cathedral

(スモルニー聖堂室内合唱団)

2009年録音

レーベル:Northern Flowers


演奏 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)


ショスタコーヴィチの珍しい楽曲がカップリングされていたので買ってみました。

殆んど期待していなかったのですが、良い意味で期待を裏切ってくれる素晴らしい演奏です。

第9交響曲は、ベートーヴェンの第九に匹敵するような壮大な交響曲をソ連当局から期待されていたにも拘らず、敢えてそれをはぐらかすような楽曲として仕上げられ、その面のみが語られているような気もします。

しかしここでの演奏には、ソ連当局への皮肉や滑稽さではなく、楽曲としての楽しさが感じられます。

実際、こんなに楽しげに第9交響曲が聴こえるなんて、また、新たな発見を与えてくれたようです。

小編成のオーケストラのようですので、少し弦の響きに厚みが足りない気もしますが、管楽器群は金管も木管もすこぶる立派で美しい響きを聴かせてくれます。

「ロシアの川」は4楽章構成ですが、第3、4楽章には合唱が用いられ、特に第4楽章などは、どこかの国の国家か、高校の校歌みたいな感じがします。

全体に吹奏楽的な楽しさと親しみやすさがあり、それは「レニングラード生まれ」にも感じられます。

正直、「ロシアの川」や「レニングラード生まれ」には、交響曲や弦楽四重奏曲ほどの奥深さは感じられませんでしたが、生活の糧を得るために作曲したのでしょうか、とても大衆的な楽しさに溢れた音楽ではあります。


録音 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)


録音も期待していませんでしたが、かなりの優秀録音です。

音の立ち上がりがとても鮮やかで、粒立ちも良好、定位も素晴らしいです。

グランカッサ(大太鼓)の強打なども、とてもリアルで十分な効果を楽曲に与えています。

弦は多少金属的な響きにも感じられ、「レニングラード生まれ」ではテノールとバリトンのソロもあるのですが、その音像が少し大きくて、ちょっと不自然さを感じます。

それを除くと、音の見通しも悪くなく、全体に鮮やかさを感じられる好録音だと思います。


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