cogito ergo sum Mark Wigglesworth指揮

Netherlands Radio Philharmonic Orchestra

(オランダ放送管弦楽団)


2004年録音

レーベル:BIS








演奏 ☆☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)


とても精緻で緻密な、そして抑制の効いた演奏で、オーケストラはウィッグルスワースの意図を完全なまでに具現化しているのではないでしょうか。

特筆できるのは弱奏部での驚くほどの繊細さですが、物理的な音の大きさもとても微細な音量で演奏されますが、精密機械のように美しさを保ちます。

第3楽章以外は派手な処がなく、全体に悲観的な印象がある楽曲で、戦争三部作の二番目として作曲された当時は、楽曲の持つ悲壮感が、現実には勝利が見えてきた戦局に相等しくない事や、第7交響曲に比べて難解と思われたため、かなり冷やかに受け止められたらしいですが、私はかなり好きな楽曲です。

もう少し熱気を孕んだドラマティックな演奏であっても良さそうですが、敢えてそうしない処に考え抜かれた交響曲全体としての構成美を感じさせる演奏となっていると思います。


録音 ☆☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)


SACDハイブリッド盤で、シルクの光沢が感じられる上質な録音です。

演奏同様、録音にも「凄さ」を印象付けるようなあざとさは皆無ですが、抑制されながらもスペキュタクラーにならざるを得ない第3楽章などは、目を見張るほどの鮮やかさです。

録音も完璧と言えるほどの完成度ですが、一聴で痛感するような凄さではなく、全体を通して聴いて、その素晴らしさがじわっと伝わってくるような録音だとも思います。


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