cogito ergo sum Vladimir Jurowski指揮

Russian National Orchestra(ロシア・ナショナル管弦楽団)


交響曲 第 1番 ヘ短調 作品10

交響曲 第 6番 ロ短調 作品54


2004年録音







演奏 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)


ウラディーミル・ユロフスキが首席客演指揮者を務めるロシア・ナショナル管を振った一枚です。

このアルバムのレーベル、Pentatone Classicsはロシア・ナショナル管を様々な指揮者に振らせるショスタコーヴィチの交響曲全集を製作中で、このアルバムはその第2弾です。

とても凛々しい感じのする演奏で、オケの技術も超一流を感じさせるものです。

第1交響曲は、ショスタコーヴィチが19歳の時にレニングラード音楽院の卒業制作として書いた作品とのことですが、当時は「現代のモーツァルト」とも称され、衝撃的なデビューを飾ったそうです。(Wikiより)

確かに非凡を感じさせる楽曲で、時代的にもかなり前衛的で挑戦的な楽曲だと思いますが、モーツァルトとまでは...。

この頃から既に多彩な音色を縦横に使い分け、ピアノも効果的に使われていて、面白いのですが、交響曲としての構成感は今一つという印象を拭えませんね。

第6交響曲はショスタコーヴィチ33歳の時の作品で、長大な第1楽章と、短く早い第2、第3楽章からなる楽曲です。

第1楽章は弦楽合奏を中心とするゆっくりとした楽章で、ミステリアスさの中にも美しさが感じられます。

対して第2楽章、第3楽章はショスタコーヴィチらしいリズミカルな流れと旋律で、最終場面はどんちゃん騒ぎさえ感じさせるものがありますが、楽しいと言えば楽しい楽曲です。

全体に均整の整った立派な演奏で、微妙なニュアンスも感じられますが、ショスタコーヴィチの交響曲の中では、親しめる感じが少ないようには感じます。


録音 ☆☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)


SACDハイブリッド盤で、とても素晴らしい録音です。

このような録音が出てくるから、やっぱりSACDは優れたフォーマットだし、今後も続けて欲しいと思いますね。

鮮やかさのあるとても自然な音場再現で、勿論定位も明確ですが、スピーカーの存在をことさら強調するような定位の良さとは違い、あくまでも自然な感じです。

音のホグレ具合も素晴らしく、ダイナミックな場面でも、繊細な場面でも、とても上質な空間を感じさせます。

コントラバスやチェロのゴリッとした強奏時の質感にも実在感があり、炸裂する打楽器群もこれまたシャープでありながら部屋の空気を揺るがす迫力を感じます。


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