cogito ergo sum Riccardo Muti指揮

Philadelphia Orchestra(フィラデルフィア管弦楽団)


1988年録音


リッカルド・ムーティは、私がはっきり「嫌いだ」と言える唯一の指揮者です。

それは、もう20年ほど前の話ですが、倉敷に住んでいたころ、ムーティ&フィラデルフィア管のコンサートに足を運んだ時、あからさまにやる気のない指揮、演奏に触れたからです。

当時、このコンビは世界屈指の指揮者&オケとして広く認知されており、凄く期待していたのですが、長旅の疲れか、或いは地方公演をなめていたのか、完全なやっつけ仕事のような演奏でした。

シノーポリ(フィルハーモニア管)だって、ショルティ(シカゴ響)だって、ビシュコフ(パリ管)だって、シャイー(コンセルトヘボウ管)だって、みんな地方公演でも一生懸命な演奏をしてくれたのに、ムーティだけは違いました。


演奏 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)


大嫌いなムーティですが、ここでの演奏は悪くはありません。

というよりかなり素晴らしい演奏で、とてもデリケートで見事なアンサンブルです。

フィラデルフィア管は、アメリカのオケですが、何となくヨーロッパのオケを感じさせる響きがありますね。

丁寧でいながら楽しんでいるかのような演奏は、第4交響曲から多くの美しさをを紡ぎだし、バーンスタインのような激しさではなく、優しさでブラームスの楽曲が内包している美しい哀しみを浮き彫りにします。

実は倉敷での演目もこの第4交響曲で、事前にこの演奏を聴いていただけに、CDとの余りの違いに驚いたほどでした。

本気であればここまで美しい演奏ができるのにと思うと、憤りは2倍3倍でしたね...。


録音 ☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)


左右への広がりは良好で、定位も割と明確です。

ただ、音の粒立ちが甘いと感じられ、低音部にも締りが若干足りない感じです。

音の見通しが少し悪いため、上質な静寂感が得られませんが、当時としては標準的な録音かも知れません。


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