Emerson Quartet
1989年録音
弦楽四重奏曲 第 1番 ロ短調 作品50
2つのヴァイオリンのためのソナタ ハ長調 作品56
(Eugene Drucker, Philip Setzer)
弦楽四重奏曲 第 2番 ヘ長調 作品92
プロコフィエフの作品は、リズミカルな展開が特徴的と思うのですが、そんなところが結構楽しく、好きな作曲家の一人です。(そういえば、ロシアの作曲家はみんな結構リズミカルな曲を書いていますよね)
いわゆる「現代音楽」に類されるとは思いますが、とっつきにくくはないですね。
難解な感じも余りしませんし...。
演奏 ![]()
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(評価は5つ星が満点です)
このCDを録音したころのエマーソン四重奏団は、世代交代しつつあった弦楽四重奏団の世界で、「ニューウェーブの雄」と目されていたそうです。(何か表現が時代を感じさせますね
)
まだ若手と言われていた頃でしょうが、しっかりした技術に支えられた立派な演奏です。
良い意味での、研ぎ澄ました神経で展開する、終始高い緊張感を持つ演奏は、何か迫ってくるような響きであり、ダイナミックです。
特に第1番などは、非常にモダンな楽曲で、演奏も困難なんだろうなぁと知識もないのに思ってしまいますが、十分なテクニックで美しい演奏を披露します。
2つのヴァイオリンのためのソナタなど、シンプルな構成ですが、飽きることなく全4楽章を聴かせるのは、楽曲の魅力と、演奏の魅力とが相交わってのことと思います。
ppでも非常にデリケートな演奏ですが、緩徐楽章は、もう少しゆったりとした演奏でも良いと少しは思いますが、高い緊張感を保つ演奏が、この楽曲の面白さを一層引き出しているのかも知れませんね。
録音 ![]()
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(評価は5つ星が満点です)
さすがはDeutsche Grammophon![]()
20年も前の録音ですが、非常に高品位な録音です。![]()
若干奥行きは足りない感じですが、メリハリの利いた、楽曲の面白さを十分伝える録音です。
各楽器の定位はかなりしっかりしていますし、音の粒立ちも申し分ありません。
もう少し各楽器の響きが交じり合っていても良いかとは感じますが、敢えて明確な音の分離を演出しているとも思えます。
温度感も十分で、コンサートの最前列で聴いているような臨場感もあります。
現在も輸入盤で入手可能なようです。(画像をクリックしていただくと、HMVの当該サイトへリンクしています)