20.米英では頻用語のcurb/ kerb


日本語のカタカナ語では、「カーブ」と「カーヴ」を区別しているのかどうか。例えば「カーブを曲がる」と書くのか、「カーヴを曲がる」と書くのか、調査したことがないからなんとも言えないが、多くの人が「ヴ」というカタカナ語を使っているのかどうか(もっともビタミンをヴィタミンと表している広告を見たことがあったと思うが)。

しかし英語では、/b/と/v/を区別していることが老い。もし区別しないと、意味の違いが表せず、混乱が起こるからである。


今回取り上げる curb という語は、curveと区別して発音されている。英語国では、この2語はいずれもよく使われているある。curveは「カーブ」のことであることは知っていたが、curbとは何のことか?

かく言う私も、今の若者と違って、中年になった昭和45年(1970年)に初めて米国に行った時、かつて日本に住んでいた米国人の友人がシカゴに戻っていて、私のシカゴ滞在中にほうぼう自動車で連れて行ってくれたのであるが、その時、大きな公園の脇の歩道に沿って自動車をつけることとなった時、友人は

“I will park the car beside the curb over there.”

と言ったのである。「カーブ」のことにしては、その辺りは別に曲がっていないので、「何のことか?」と思ったのである。

自動車から出ると、英語について気になったことは何でも遠慮せずに訊いてしまう私は、早速友人に次のように言ったのである。


 L.O.: Eh, didn't you say the curve? But I don't see any curve around.

Charles: No, I said the curb...

L.O.: How do you spell the word?

Charles: c-u-r-b.

L.O.: What is a curb?

Charles: It's a line of stones at the edge of the sidewalk along the road way.


要するに、<歩道の縁石(へり石)>のこと。欧米では、どんな通りにもきちんと歩道が設けられていて、それは車道より30センチほど高くなっているので、その段差の所にcurbが設けられているのである。