日本語を学ぶ外国人が難しく感じる表現として、「~してあげる」「~してもらう」という、いわゆる「やり」「もらい」の表現です。

今回は、英語では使役として用いられる「~してもらう」の表現を紹介し、「~させる」との違いも見ていきます。


a. 私は彼に時計を直させた → I made him repair my watch.

「~させる」の中で、makeは、最も強制的な「~させる」です。


b. 彼をどこにでも好きな所に行かせなさい → Let him go anywhere.

letは、「~のさせるがままにする」というように、むしろ目的語の好きにさせるという意味です

(ビートルズの、Let It Beでもご存知の方は多いでしょう)。


c. 私は彼に時計を直してもらった → I got him to repair my watch.

このように、 同じ使役でも 「get+人+to不定詞」を使うと、

「人に~してもらう」という意味になります。


d. 私は時計を直してもらった → I had my watch repaired.

haveも、人の後に原形動詞を持ってきた場合、「~させる」の意味になるので

(makeほどではありませんが強制力があります)、「~してもらう」の意味では、

「目的語+過去分詞」という形にする必要があります。

なお、時計など機器類を直す(修理する)場合は、fixやrepairを使い、

mendは、靴下のほころびを直すなど、軽く直す時に使います。


e. 私は自分の写真を撮ってもらいに写真屋に行って来ます →

I am going to the photo(grapher's) studio to have my picture taken.

「写真屋」は、photo(grapher's) shopとも言います。

なお、「私の写真」はこの場合 my pictureや my photo(graph)でもいいのですが、

「私が写っている写真」と言いたい時は、the picture of me, my photo(graph) of me、

「私が撮った写真」と言いたい時は、the picture I took や the photo(graph) I took

などを使います。


ここで、使役動詞をまとめてみます。


・make…最も強制力が強い。

・have…次に強制力が強い。

・get…人に、説得してやらせる。やってもらう。

・let…人に、やりたいようにやらせる。


このうち、haveは、「目的語+過去分詞」で、「(目的語を)~してもらう」という意味が出ます。

makeも、「目的語+過去分詞」の形は使えますが、


f. 私は自分の英語が通じるようになりたい → I want to make myself understood in English.


このように、「自分自身を英語で理解させる」という意味になります。


※この項、「話すための英語学習 」を参考にしました。