¥460
Amazon.co.jp
金城一紀『対話篇』(新潮文庫)を読みました。
『対話篇』は短編集です。「恋愛小説」「永遠の円環」「花」の3篇が収録されています。
「恋愛小説」
〈僕〉がある人物の話を聞く話です。大切な人ができると、次々と死んでしまうという彼。〈僕〉自身の恋愛と彼の話が絶妙に混ざり合って、しみじみとした余韻の残る短編です。「永遠の円環」
この短編には、上原彩子が登場します。『SPEED』に出ていた女子大生です。いわばスピンオフの形式ですね。病気で死にかけている〈僕〉は、死ぬ前にある復讐を決意する。そんな〈僕〉の前に友人のKが現れる。〈僕〉はKに復讐を手伝ってくれるように頼む。とまあそんな話です。
「花」
こちらも病人の話というか、手術をしないといつ死んでもおかしくない〈僕〉がある仕事を頼まれて、老人と車で旅をする話です。どの短編も読みやすく、しっかりとした構成をしているので楽しめます。語りの勢いはないですし、病気の話が多いのが微妙ですが、金城一紀のファンの方はぜひ読んでみてください。