金城一紀『GO』 | 文学どうでしょう

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立宮翔太の読書ブログです。
日々読んだ本を紹介しています。

GO (講談社文庫)/金城 一紀

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金城一紀『GO』(講談社文庫)を読みました。直木賞 受賞作です。映画も話題になりましたよね。

GO [DVD]/窪塚洋介,柴咲コウ,大竹しのぶ

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昔小説も読んでいましたし、窪塚洋介主演の映画も観ていたんですが、びっくりしました。これすごく面白いです。まずストーリーが面白いんです。どストレートの恋愛小説ですね、これは。すごくいいですねえ。

そして、文章が面白いんです。ちょっとポップかつユーモラスで。軽いタッチの小説が嫌い人にはおすすめできませんが、軽いタッチが好きな人には自信を持っておすすめできます。ぼくはすごく好きでした。勢いもあるし。

テーマ的にはちょっと重い部分があるというか、在日韓国人の話なんです。

〈僕〉は日本で生まれて、ずっと日本で育ってるんですが、朝鮮籍なんです。ハワイに行きたいから朝鮮籍から韓国籍に変えた、元プロボクサーの親父がいます。

親父にぼこぼこにされたり、ボクシングのようなものを習っているから、〈僕〉はすごく強いわけです。

思い立って、民族学校ではなく、がんばって勉強して、日本の高校に行きます。そこでも挑戦者みたいのが次々と現れ、全員返り討ちにします。そうしたヤンチャなやつが主人公なんです。

そしてあるパーティーで謎めいた女の子に出会って、恋に落ちます。2人の距離はどんどん縮まっていきます。

ところが、なかなか自分が韓国籍であるということを言えないんですね。そして、友人がある事件に巻き込まれて・・・。というお話です。

主人公は暴力的というか、ヤンチャなやつなんですが、そのもやもやも、そのヤンチャ振りも、すごく納得させられるんです。すべての根元が、本当の自分とは何か? という問いにあることが分かるから。

感情移入もしやすいし、恋に落ちる女の子もいいし、オヤジやオフクロのキャラもいいですね。すごく夢中になって読んだ小説でした。かなりおすすめの一冊です。

リンクですが、村上龍の『69』も勢いがあって、ポップかつユーモラスで、面白いですよ。

69 sixty nine (集英社文庫)/村上 龍

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そんな感じです。