「プロよりアマチュアの方が上手い?」

と感じてしまう現象

テレビの「格付け○○」的な番組で、

自信を持って選んだ方がアマチュアだったガーン

プロのコンサートより、

YouTubeで見たアマチュアの演奏の方が心に残った。

子どもの発表会の演奏に、思わず胸を打たれた拍手

そんな経験がある人は、決して少なくないと思います。

では、なぜこんなことが起こるのか。

これを本気で説明しようとすると一冊の本になる話ですが、

今回は、できるだけシンプルに整理してみたいと思います。

そもそも「プロ」とは誰のことか。

一口にプロと言っても、
能力、知名度、仕事内容には大きな幅があります。

天才、怪物級、
あるいは何かに特化した超プロフェッショナル——
彼らが本気で演奏すれば炎

アマチュアが太刀打ちできないのは言うまでもありません。

高い競争率を潜り抜けた能力を持ち、

人生をかけて音楽に向き合っているのだから当然です。

野球やサッカー、ゴルフやテニスと同じく、
トッププロとアマチュア(たとえ最強であっても)の差は、比較になりません。

では、一般的なプロの演奏家が、

プロ(職業)として演奏するとは、どういうことか。

現場で演奏し、

報酬をもらうコインたち
 

極めて当たり前の話です。

ミスなく弾く、
しっかり弾く、

 

決められた条件の中で音楽を成立させる

ということが必須です。


そこには仕事としての責任はありますが、

その音楽一つひとつに、どれだけ賭けているか、

どれだけの覚悟や物語を背負っているかは、

必ずしも大きくありません。

音楽は不思議なもので、
この温度感は、そのまま音に表れます。

能力や技術があり、
きちんと弾いてはいる。
上手い。


しかし、人の心を強く動かすとは限らない。

私はこれを「お仕事的な演奏」と呼んでいます。
(しかし、これはこれで、仕事として必要なのです)

プロの能力とは何か。

現実的に、プロとして活動している人たちは、
譜面を見て、短時間で、

それなりのクオリティに仕上げる能力に非常に長けています。

本番の数日前(〜数十日前)に譜面を確認し、
リハーサルがあればそこまでに、
なければ本番までに「弾ける状態」にする。

簡単に言えば、

「無難にまとめるスペシャリスト」です。

これは軽く見られがちですが、

実は極めて高度な能力であり、
プロを名乗る人すべてができるわけではありません。

では、アマチュアはどうか。

アマチュアであっても、
プロと同等レベルの技術を持つ人は珍しくありません。

そして多くの場合、
彼らは「その一曲」「その本番」に、
時間も労力も、気持ちも、

全力で注ぎ込みます。

数ヶ月、場合によってはそれ以上の時間をかけ、一つの演奏に向かうグー

技術的に大きな問題がないのであれば、

この「集中度」と「温度感」は、

演奏のクオリティを一気に押し上げる。

発表会での子どもたちの演奏が心を打つのも、まさにこれです。

テレビの「格付け○○」を見ても、

プロが普通に、ソツなく弾いている一方で、

(実際、リハは1回もしくは0回)

アマチュアは、

プロに近い技術に加え、

その一曲に「可能な限りのすべて」を賭けてきます炎
(かなり練習を積んできます)

だから、アマチュアの方が良く聴こえる。

もちろん、

1曲だけならアマチュアが勝つことはあっても、

曲数が増え、演奏時間が長くなれば、

プロの安定感と底力が勝るでしょう。

プロは、どんな状況でも「ボロを出さない」プロだからです。

アマチュアの方が上手く聴こえるのは、

技術の問題ではありません。

そこに、

どれだけ音楽に向かっているか、

どれだけ賭けているか、

その差があるのです。

気持ちが乗った演奏は、技術以上に強い。

それが

「プロよりアマチュアの方が上手い」
という現象を、たびたび生むのです。