カウンターだけの狭い中華屋でご飯を食べていたら、一組の家族が入ってきた。

父、母、乳母車の赤ちゃん。

店内はまばらに客がいたため、家族は並んですわれない。


と思うと同時に俺を含めた店内にいた客が一斉に立ち上がり、家族が並んで座れるように席を移動した。


家族はそれぞれの方向に向かって「ありがとうございます」と、何度も頭を下げた。

カウンターの中の店主もそれぞれの客に「すみません、ありがとうございます」と。



食事を終え帰ろうとすると、家族の父親が「お食事中にバタバタさせてすみません」と、また頭を下げてきた。



一つの空間でたまたま居合わせた者同士が、当たり前のように心を通わせたひととき。



飯代で大変心地好い時間をいただきました。

松原でした。