2026年中に岐阜市福光にカフェを開業予定です。(努力目標)よろしくお願いします。




カフェを開業したいと決めてから、勉強のつもりで今もシドニーのカフェで働いているが、11年前にもカフェで働いていた。

今日はその時の台所事情について書こうと思う。

私の友人の友人がカフェをオーナーチェンジ(既存のカフェの権利を買ってそのまま経営する)という形で買うことになって、スタッフを募集していると聞いて働かせていただくことになった。そういう縁だったこともあって、はじめてカフェを経営する年齢も近いオーナーの女性とは、スタッフというより友人のような感覚で接してもらった。彼女がカフェを購入してから売却するまでの約10カ月間、カフェの内情についていつも聞かされていた。4人掛けのテーブル席が5台程度の広さのカフェで、1ヶ月の賃料が7000ドル(今のレートの日本円で78万円)だった。ビジネス街だったので日曜日を定休日にしていた。1ヶ月で25日間カフェが稼働するとして、1日当たり280ドルの賃料だ。

珈琲が1杯5ドル程度だったので、最初の56杯は賃料に消える計算になる。

オーストラリアのカフェに行ったことがある人なら分かると思うが、食事がやたら高い。例えばトーストと卵で10ドル。どこのカフェにもある人気のBig breakfastは、ベーコンと卵とハッシュブラウン、ソーセージ、焼きトマト、アボカド、マッシュルームなどで25ドル程度。これに珈琲代も加算されるので、客単価は20ドルは超えていたと思う。オーナーチェンジをする前からのお客さんがついていたし、それなりに繁盛店だったが、それでも内情は火の車だった。

オーナー以外にバリスタの女性が1人、厨房に私ともう1人のシェフを雇っていたので、3人の人件費と食材の仕入れ代がかかってくる。食材の原価率は2割程度だったが、ランチ客を狙ったメニュー数もわりと多く、注文が入らないと仕入れた食材も廃棄になる。

カフェ仕様の珈琲マシーンは購入すると3万ドルから5万ドル、車と同じような値段なのでレンタルしているお店も多い。レンタルだと、珈琲マシーンのメンテナンスも兼ねてくれるので賢い選択ではあるが毎月のレンタル料金もそれなりに高い。

オーナーがいつもいつも嘆いていたので、11年経った今でも覚えているのだが、売り上げが良い日、悪い日、平均すると毎日80ドルの赤字が出る計算になったそうだ。オーナーは早朝5時には店に来て、16時にカフェが閉店した後に雑用を済ませて家に帰っていたが、帰宅後も仕入れの注文や経費の計算等気持ちが休まる暇もなく、それだけ働いて毎日80ドルの赤字。1ヶ月にすると2400ドルの赤字だ。かといって、お店を完全に閉店したら店舗の賃料だけで7000ドルの支払いが生じる。

オーナーはだんだん疲弊していって、カフェの権利を引き継いでくれる人が現れる前は、毎日刑務所にいる気分だと言っていたのを思い出す。

あれから11年。シドニーの不動産の賃料も人件費も食材も全てが高騰する中で飲食店の経営などみなさんどうやってやっているのだろうと感心するばかりだ。