ニシンっていうと、シュールストレミングが想起される人も多いかもしれません。
ニシンは春告魚ともいい、その名の表すように春が旬の魚です。
ニシンの卵巣は数の子としても知られ、卵を産み付けられた昆布は子持ち昆布として珍重されています。
そんなニシン、漢字では何と書くでしょう?
「魚に非ず」と書きます。ひどいですね。平 時忠かと突っ込みたくなります。
では、なぜこのように書くか。ここが今回の本題です。
ニシンは、江戸時代の書物には貧乏人の魚と書かれていたり、猫の餌と書かれていたり、散々な言われようでした。しかしそれが由来かと言えば、そうでもありません。
そこまで面白い由来じゃなくて申し訳ないですが、中国語からの流用です。
ニシンは、中国語では「鯡魚」と書きます。これは現代中国語でも同じです。
日本古来の言葉に漢字をあてる際によく見られる手法ですね。つまらん。
しかし、面白いと思った説があります。気持ち的にはこっちを信じたいところです。
江戸時代、松前藩(大雑把に言えば今の函館あたり)は、米の代わりにニシンを
年貢米として納めていました。そのため、「これは魚ではない(魚に非ず)。米なり。」
なんて体裁をとっていたことから、このように書くようになった…らしいです。
肥料にされたり、江戸時代には下魚とされていたニシンですが、
美味しくない魚じゃないんですよ!ではまた、どこかで。
