注意:あまり鵜呑みにせず、あくまでエンタメとしてお楽しみくださいネ
緑一色。索子の2、3、4、6、8と發で構成される役満です。
初めてこの役を知った時、こう思いませんでしたか?
「緑一色?黒一色じゃん」
そう思わないという方はお帰りください。(ぉぃ)

上の画像のように、ほとんどの牌は索子や發が黒いものと思います。なぜ緑ではないのでしょう?
私はふと「青毛」という語を思い出し、もしや言語学的な理由があるのではないか、と思いました。
「青毛」とは主に動物に使われる語で、黒い毛という意味です(人間用には「青絲」があります)。
「黒なのに青」のように、「黒なのに緑」もあるのではないかと考えた訳です。
1.言語
バーリン・ケイの研究によると、自然言語の「色」は、白・黒→赤→緑・黄→青→茶…のように語彙が増えていくとのこと。
古中国語では黒を表す語と青を表す語が同じ語彙(靑、qīng)でした。もちろん緑も靑に含まれており、
その後文化の発達につれて黒(黑)という語彙が登場、緑も同じく靑から分離、綠となりました。
その時、靑一色が勘違いで黒一色でなく緑一色になったのではないか…
ん?
麻雀のルーツとなったカードゲームである馬弔は明の時代が発祥…17世紀前半ごろからのはず。
さらに牌を使うようになったのは19世紀後半…あまりに時代がずれすぎている。
この線はない。
というか緑一色ってアメリカ発祥じゃないっけ?
2.土地
緑一色はアメリカで生まれました。中国の発明品じゃありません。アメリカのオリジナルです。
どうぞ和了ってみてください。余裕の役満だ、打点が違いますよ。
…麻雀は、日本をはじめ様々な地で人気を博しています。アメリカもその一つ、1920年代に輸入されました。
アメリカ麻雀も、日本のリーチ麻雀と同様、独自進化を遂げています。緑一色の他に、七対子も生まれました。

これがアメリカの麻雀牌。中、發は龍に変わっており、ジョーカー牌があります。
なにより、索子が緑ですよね。mahjongで検索したら緑の索子が出てくると思います。
では、なぜ緑なのか。これは恐らく、絵の解釈違いによって起こったものと思います。
もともと、数牌の由来はお金から来ています。筒子はそのまま貨幣と分かりますよね。
実は、索子も貨幣なんです。硬貨を重ね、棒状にした棒金と呼ばれるものが由来となっています。
しかし、索子は英語でbamboosやbamsと言います。完全に竹と誤解されてますよね。
竹なら緑だろう、と牌が製造され広まる、亦嘆かわしからずや(孔子風)。
麻雀というのは兎に角統一するのがお好きですから、今度は色で統一できるぞ、ということでこのような役ができる訳です。
3.まとめ
日本の麻雀牌は中国の牌の様式が受け継がれていますから、索子も黒いままです。
ですが、アメリカの麻雀牌では緑の索子。緑一色が生まれたのもアメリカですから、
日本人から見れば、牌の色と「緑一色」という役名が食い違って見えるんですね。
たったこれだけのことを長々と…このブログの冗長性ったらないね、全く。以下、余談です。
余談①日本語では?
色彩表現の齟齬でよく出てくる例に、「青信号が緑信号ではない」があります。
また、「青りんご」も同じように「緑りんご」ではありませんね。
古事記に出てくる色名は白、黒、赤、青しかないらしく、自然の色として代表的な緑がない、というのは些か不自然に思えます。となると、「緑」はそもそも日本語に存在しなかった語彙なのでしょう。
緑と青の区別がない言語は、119分の30と少数派。今でこそ区別がありますが、成り立ちは結構独特です。

白黒の次に青、紫も初期に出てきています。固有の文字を持つ言語という時点で少数派ですけれどね。
余談②なんだっけあの映画…
黒澤明の映画に、『天国と地獄』(東宝 1963年)という作品があります。
この映画はモノクロなのですが、煙突から出る煙が赤く着色されています。

これ、色彩語彙が三つしかない言語で表現できる世界そのままですよね、そう思いませんか?
表現技法としても、言語学的にも面白い。一粒で二度おいしいとは、流石ですね(?)
出典
麻雀の役満、緑一色は鳴きあり?点数や牌を分かりやすく解説 - 麻雀ナビ
青 - ウィクショナリー フリー辞典
青 colour - reddit
アメリカ麻雀 - ウィキペディア フリー百科事典
日本語における青と色彩 - 慶應義塾大学 塾生サイト
黒澤明の映画
