おじさんの右の薬指に
指輪をみつけた
これまで気づかなかったけれど
おそらくwedding ring
すべてを失ってしまったと
言っておられたのに…
指輪をお金に
換える方もいるのに…
家庭があったのか
私は知らない
でも…
その指輪には
奥さまや家族との温かな思い出が
込められているから
唯一手元に残されたのかも…
暑さで眠れない夜
段ボールベッドの上で
宙に右手をかざすこともあるのかな…
そんなことを
並んで歩きながら思った
左の薬指ではなく
右の薬指…というのも
なんだか
胸がきゅっとして
切なさを誘う
もう結婚の絆はないけれど
それでも大切…
そんな思いが伝わってきて
おじさんは
亡くなった私の母と同じ歳
私の両親の友人達がこぞって所帯を持った
近郊のニュータウンと呼ばれた街に
友人がいると言っていた
おじさんにも
温かな灯りがともる帰るべき場所が
かつてあったのではないかと…
その右手が教えてくれた気がした


