その百合の見える場所で
ルイーゼ•リンザー
『波紋』を読む
修道院を舞台にした
柔らかな色彩を放つ児童文学...
そんな先入観はすぐに消えるほど
衝撃的な作品でした
少女から大人への階段を
いっきに駆け上がるような展開
少女の持つ残酷さと神聖さを
深い宗教性と鋭い感性でとらえています
乱暴とも思える激しい描写に戸惑いつつ
次第に少女の世界に魅了されていきました
「わたしの生を導いてゆくのは
動物的な混乱した
わけのわからない悩みではなく
精神の鋭い透明な法則であることを
初めて悟ったのだった」
『波紋』
岩波少年文庫より
少女が辿り着いた場所で得た答え
昔少女だった大人の女性に
捧げられた本でもあるようです
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2007/8/24
過去ブログより
“波紋”について
このpostでも少し触れています
↓
*画像は
『み旨のままに』
J.P.コッサードの表紙

