クラクラ小説「Dive To Blue」 | クラクラな日常~king☆kazumaブログ~

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もはや、トラウマになりそうであった。

35人対戦後に連戦エクストラバトルと称して、TH10とTH9の「10人」選抜で続闘。腕に自信があるわけではないが、立場上参加した。もちろん訓練にもなるだろう。

対戦は無事に勝利したが、衝撃的な一幕があった。

10人目のクラメンはサブ垢でTH7。もちろん調整用に入り、相手にもTH7がひとつあればいいな、くらいの気持ちだ。ところが、向こうはTH10とTH9のみ。つまり、仲間のTH7分はハンデとなる。

「☆三つは献上するつもりでやるしかねーか」だが、そのTH7の仲間は大健闘し、TH9の8番から損壊率49%まで詰め寄った。本当は☆ひとつを取りに行っていたのだ、素晴らしい。そして衝撃的な一幕とは、その次の対戦である。一戦目、同じく8番にTH9の7番である僕が挑む。挑むと言ってもTH9同格だから☆2個は行くだろう。☆ひとつでもTH7の敵討ちにはなる。しかし、結果は☆ゼロ、損壊率44%。思わず、サジを投げた。

その後、新作の自分の村が7番、9番、10番、8番を完全防衛。しかしTH10の2番にフリーズを使われババキンなしにも関わらず全滅。防衛では頑張ったものの、その次の二戦目はまだ無傷のTH10の3番に挑み、「☆ひとつ取ったら英雄」とチャットで言われてはいたのだが、こちらも☆ゼロ。思わず、投げたサジをもう一度拾って、投げなおした。

「さすがに無力すぎるな」自分のゴーストがささやいていた。

スランプだとか、練習不足だとか、ねじれの位置だとか、言いわけしてきたのだが、もうさすがに腕が追いつかない。ツイッターやブログでも「引退」の言葉が次々に目に入る。

強さを求めれば、トップリーグに行くほど練習するしかない。ゲームを楽しむことを求めるならば負けても傷つくのはおかしい。だが、実際に対戦で☆が取れないと悔しいし、トラウマになる。さらに仲間にも申し訳ない。高価な援軍をもらって痛い攻撃をしている面倒なサブリーダーと言われれば、それもまた当たっている。

もちろんそんなことを言う人はうちのクランにはいない。みんな「ドンマイ!」「お疲れ様!」と温かい言葉をかけてくれる。

だが、こころに曇り空が広がる。自分を許していないのは、まさに自分なのだ。

「いまから引退して、クラクラもやめ、ブログも閉鎖したらどうなるだろうか」いつも書いているノートに、想像できる選択肢を書いてみた。

「勝利」が楽しみになっている対戦ゲームにおいては無限の敵に挑み続けるには限界がある。なぜなら、最終的にはジャパンローカルのトップ、グローバルのトップへと世界が地続きだからだ。そして、上達を目指さない対戦ゲームは目的自体が矛盾している。上達しなくても良いのならマルチだけを遊んで、ファーミングに徹するという選択肢もある。本当にそれでよいのだろうか?

ふと、ノートの過去のメモを見てみる。ブログに使えそうな楽曲のストックが書かれていた。

「Dive To Blue・・・L'Arc~en~Cielの中でも好きな曲だなぁ」まさにそんな気分。


でも、ちょっと待てよ。当時はやむにやまれず、空に飛び降りるように自由になれって曲じゃなかったっけ? 気になってネットで調べてみる。

「勝手にレールを作っているのは自分。(仕事などで)他にやりたい事があればすれば、いいと思う。境界線があるから渡れないと思い込んでるけど、実はその境界線は自分が作ったもの。境界線はあってないようなものだと言いたかった。この曲のタイトルにおける“BLUE”とは“自由”のことだ」当時のインタビュー記事を見つけ、なんだか、やけに腑に落ちた。

やはり、何もかも捨てて逃げることはできない。まず、趣味と仲間を同時に失ってしまう。そして、このブログを楽しみにしてくれている読者も大勢いる。それらすべてを裏切るわけにはいかない。

悶々とした一日を過ごしながら、どうすれば境界を乗り越えられるか模索していた。

そして、閃いた。

負けや凹みすらも笑いのエネルギーに変えられる方法、それは「わび・さび」だ。

「わび」とは、「貧粗・不足のなかに心の充足をみいだそうとする意識」であり、「さび」とは、「閑寂さのなかに、奥深いものや豊かなものがおのずと感じられる美しさ」のことである。日本独自の美意識の中に脈々とあるじゃないか。「俳句・・・いや、川柳だ。川柳としていろいろなものを詠ってしまおう」そう考えて、一句。ツイッターでつぶやき始める。

サブ垢の 戦友(とも)より 低い攻撃力 (;´▽`)y-~~

「サラリーマン川柳」ならぬ「クラクラ川柳」の誕生だ。クラクラの中にある悲哀や苦しみも笑いに変えて生きていく知恵と勇気。そうだ、この手があった!

僕は、やはり当分の間、このゲームから飛び降りるわけにはいかないようだ。





※この作品はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ありません