一時期かなり泉谷しげるにハマっていた時があった。
初期の変態フォーク時代から既に優れたバックバンドを多用していた泉谷だけど、極めつけはやはりルーザー。あんな凄いバンドはなかなか存在しないんじゃないか。
そんな泉谷しげるの華麗なるバックバンドの中で、個人的には「39度8分」のレコーディングメンバーがかなり好きだ。
先ずドラムは美人で有名だった、鈴木慶一の奥さんとなる鈴木さえ子。それから沢田研二のバンド、エキゾティックスからギターの柴山和彦に、後のルーザーのメンバーとなるベースの吉田健。
更にはRCサクセションの仲井戸麗市まで参加している。彼もルーザーとなった。
このアルバムに収録されている楽曲は、当時隆盛を誇っていたニューウェーブ路線の僕好みのサウンドで大好きなアルバムだ。
ギターのカッティングやシンセの使い方等が如何にもあの時代のサウンドらしくて良い。
でも、やはり僕がこのアルバムが取り分け好きな理由は、他ならぬ「ミストレス」が収められているから。
この美しい名曲は何もかもが素晴らしい。
世界中のラブソングを集めて束になっても敵わないくらい素敵な愛の歌だ。
こんな美しい歌詞が書ける泉谷はやはり只者ではないのである。