パンクというかザ・クラッシュによって洋楽に目覚め、それからは音楽雑誌とラジオ番組とレンタル・レコードで新しい音楽を探す事に明け暮れていた日々。


そんな中、確かロッキング・オンの広告に大々的に取り上げられていたこのアルバム。ジャケットも凄く印象的で僕は音も聴いた事もないのに、学生のなけなしの金をはたいてそのアルバムを買ったんだ。


それは元ポップグループのメンバーが中心となって作ったバンドのリップ・リグ&パニックのファーストアルバム「God」。ボーカルにはスリッツにも参加していたネナ・チェリー。


彼らの音楽はポストパンクのバンドらしい何者にも囚われない、自由な演奏をモットーとしているファンキーなフリージャズと言った感じで、プリミティブな躍動感に漲っていて、斬新で理屈抜きでカッコ良かった。


ジョン・ライドンのカリスマ性で聴かせている様な部分が多々あるPILより、サウンド的にはこっちの方が圧倒的に好きだったな。


ラストアルバムは随分とポップに傾いてしまったけど、このファーストアルバムはあの頃の時代の雰囲気を上手く反映していたポストパンク的なアバンギャルドさとポップさが絶妙に入り混ざって、えも言われぬ魅力を放っていたんだよね。