ニルヴァーナのメジャーファーストアルバムは衝撃的だった。当時停滞していたロックシーンに大きな風穴を開けたバンドの一つが間違い無くニルヴァーナだった。「ネバーマインド」を聴いた時、本当に久しぶりに新しいロックバンドに熱いものを感じたのを覚えている。


明らかにパンクを通過したと思われるカート・コバーンの生み出す楽曲からは、そのやさぐれたサウンドの影に潜むポップなメロディと、静と動の見事なコントラストを描いていて、初期ロンドン・パンクから脈々と続くポジティブ・パンク迄をも即座に連想させたロックンロールはその後グランジと呼ばれる様になる。





1992年2月、僕は東京ドームに居た、ガンズ・アンド・ローゼズを観るために。


ただほぼ同じ時期に来日していたニルヴァーナかガンズンのどちらに行くのか、その時僕と友人は迷っていたんだ。でも結局僕達二人はガンズンのライブを選んだ事を、今となっては酷く後悔している。


それからロックシーンではグランジの嵐が吹き荒れて、僕の望むロックとはどんどんかけ離れてゆき、僕とロックの学生時代から続いていた蜜月は終わりを告げる事になる。




その後カート・コバーンは衝撃的な最後を遂げた。