Pファンク軍団のバーニー・ウォーレルを初めて知ったのはトーキング・ヘッズの實況録音盤に参加している写真を見てから。メンバーと一緒にエイドリアン・ブリューとゲストとしてキーボードを弾いてるジャケット写真が今でも印象に残っている。


その頃ロッキング・オン界隈ではトーキング・ヘッズを植民地主義とか訳の分からない批判していたのを覚えている。黒人を使ってブラック・ミュージックのグルーヴを安易に手にしようとするその行為を痛烈に批判していたんだけど、今から考えたら全く的外れな批判だよね。


そもそも白人と黒人の混成バンドを否定する考え方自体が、強烈なる人種差別意識から生まれたものだと感じるのだがどうだろう。


トーキング・ヘッズと植民地主義は置いといて、その後バーニー・ウォーレルの名前を耳にしたのはキース・リチャーズのソロ・アルバム「トーク・イズ・チープ」で。


それから程なくしてバーニーはPファンク軍団の主要メンバーの名に恥じない、タフなファンクアルバムをリリースしてくれた。ここではキースも自身のソロアルバムに参加して貰ったお礼にゲストで数曲ギターで参加している。


一年くらい経ってからバーニーのずっと廃盤になっていたファースト・ソロがあのPヴァインからリリースされたのだ。僕は迷わずそれを手に入れて聴いてみた。


そのアルバムはPファンク軍団のアルバムより、随分とっつき易くて僕は凄く気に入った。目の前がパッと明るく開けていく様なオープニングのファンキーナンバーから、三曲目のしっとりと落ち着いたジャージーなナンバーで更にこのアルバムの魅力に吸い込まれていく。この曲の美しい響のトランペットは誰が吹いているのだろう。何より主役のバーニーの粘着質でキュートなボーカルがアルバム全編を通して堪らなく魅力的なのだ。


バーニーのこのファースト・ソロ・アルバム、Pファンク軍団の総統ジョージ・クリントンは勿論の事、メンバーも総出で手伝っている優れたファンクアルバムだと思う。