ブロ友であり尊敬するギタリストである方のブログで初めて知ったアーティスト、門あさ美。
今までこんな素晴らしいアーティストが存在していた事を知らなかった自分を酷く恥じる。
門あさ美は80年代に活躍したシンガーソングライターで今で言うところのシティポップ、当時はファッション・ミュージックという奇天烈なジャンルで売り出されたらしい。
本人が非常に恥ずかしがり屋でテレビ出演も初期の頃ごく僅かでライブに至っては一切行わなかった。
それでもレコードセールスは上々で、それは彼女の作り出す歌の世界が同世代の女性の共感を買ったのと、男性ファンにとっては隠しても隠しきれない不思議な色香が漂っていたからだと思う。
そんな彼女の作品に今回初めて触れた。僕が高橋幸宏さんの大ファンだという事で彼のプロデュースの門あさ美にとっては後期になる作品二作を手に入れて聴いてみたのだ。
サウンドの色彩は当然幸宏さんの如何にもそれらしい色に染まったサウンドで、幸宏さんのプロデュースも彼が叩くドラムもリズミカルで軽快で素晴らしい。
ただこの二作はそれまでのどのアルバムでも聴けないウィスパーボイスに豹変してしまっている。例えて言うならまるでジェーン・バーキンみたいな。
元々門あさ美のボーカルはソウルフルに歌い上げるスタイルではなく極めてオーソドックスな歌唱スタイルなのだが、幸宏さんプロデュースの二作でいきなり何故こうなったのか分からない。
ただその変化の過程でヨーロピアン音楽志向の幸宏さんの存在が大きかったのは容易に想像がつく。
このボーカルスタイルは当時のファンにとってはきっと賛否両論だったのだろう。
それからこの二作を最後に門あさ美はアーティスト活動に終止符を打つ。亜蘭知子の様に裏方に回るわけでもなく完全にファンの前から姿を消してしまった。
もしかしたらこのアルバムをリリース後に結婚引退したのかもしれない。一切のインフォメーションが無いのでファンは彼女が目の前から消えてしまった理由を知らないまま今に至っている。
大いになる才能があり、しかも美貌で言葉では言い表わす事の出来ない不思議な魅力がある門あさ美。
しばらくは彼女の若き日々に描いた音楽の魔力に夢中になっていたい。