反発を覚えるのはなぜ？
こんなふうに言われたことがある。
「ルカさんって、伝えたいことがたくさんあるんだね。
でも結局、何を言いたいのか
分かりにくいときがあるよね？」
——その瞬間、カチンときた。
私は心理のプロとして、
人に分かりやすく伝えることを
何よりも大切にしているのに・・・
「伝わっていない」と言われるなんて、
まるで自分の仕事の価値を
否定されたみたいな気がしました。
- そんなことない！私はちゃんと伝えてる！
- 伝わらないのは、相手の受け取り方の問題じゃない？
こんな言い訳が、
頭の中をぐるぐる巡って
自分を正当化したんです。
私はなにを守っているの？
それでも、心はザワザワ。
モヤモヤが消えないのは、「図星」だからだ。
だから、勇気を出して自分に問いかけてみた。
「私は、何をそんなに
守りたがっているんだろう？」
答えは・・・
私は、「伝えられない自分」になるのが怖かったんだ。
もっと言えば、
「相手に伝わらないことで、存在を否定されるのが怖かった」。
——なぜ？
その瞬間、過去の記憶がフラッシュバックしました。
私は子どもの頃から、常に
「自分の気持ちをちゃんとわかってもらえない」
感覚を抱いていました。
一生懸命説明しても、うまくいかず、
誤解されたり、軽く流されたり。
分かってもらえないことで、悲しくなったり、
疎外感を感じたり。
だから、大人になって「伝える力」を磨きました。
話し方を学び、表現を工夫し、
人の心に響くように努力しました。
それでも、その根っこには、ずっと
幼い頃の「わかってもらえなかった悩み」が残って
いたんですよね。
それを覆い隠すために、
「私は伝えられる人だ」と自分に言い聞かせていた。
だから、「伝わっていない」と言われると、
過去の痛みが刺激されてしまう。
まるで、あのときの自分に戻ってきたみたいに。
そして、それを直視したくなくて
「私は悪くない！」と
反発してしまう。
でも、そのことに気付いたとき、
不思議とスッと軽く心が軽くなった。
ああ、私はただ分かってほしかったんだ、ってね。
「伝えること」は「分かってもらえること」じゃない
本当に大切なのは、「伝わること」
伝えることに必死になるより、
相手がどう受け取っているかに
意識を向けること。
「私はこんなに頑張って伝えているのに！」と
力むのではなく、
「どうすれば、もっとシンプルに伝わるだろう？」と
考えること。
そう思えたら、肩の力が抜けた。
伝わることにフォーカスできるようになった。
そして、驚くほど言葉が伝わりやすくなった。
——「私は悪くない！」とムキになるとき、
その奥には「変わりたくない理由」がある。
それは、
「ずっと守ってきた、幼い頃の傷」だったりする。
でも、それに気づいて受け入れた瞬間、
人生はずっと自由になる。
だから、もし誰かの言葉にイラッとしたら、
「私は、何をそんなに守ろうとしているんだろう？」
と問いかけてみてほしい。
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