ひきこもり状態の長男を殺害した
元農林水産事務次官に対して
懲役6年(執行猶予無し)の判決が出ました。

この種の事件は到底他人事とは思えない。

というのもかつて私は
父の命を奪っていたかもしれないから。

父はアルコール依存症です。
わたしが物心ついたころには
休みの日は朝からお酒を飲んで
寝ていました。

平日は仕事があるため

ブレーキがかかっていたものの
2度の天下りを経て
完全リタイヤしたあとは
留めるものはなにもなく

24時間お酒が切れない
連続飲酒の状態になりました。


お酒の空瓶が散乱する汚部屋で
飲んでは眠り続け
トイレもペットボトルや尿瓶を持ち込んで
部屋で済ますような

まさに

「人間やめますか?」状態


近所の人にもバレていて
とても恥ずかしかったし

アル中の治療中に
アルコールの代わりに
睡眠薬で酔っぱらう
いわゆる

オーバードーズになった頃には

「俺が死ねばいいんだろ」
「俺を殺せ」などの発言や
母や私への暴言で
得も言われぬ恐怖を覚えました。


 

睡眠薬を取りに来たが
様子がおかしいので迎えに来てくれと
病院から電話が有ったとき

「途中で転んで轢かれて
 死んでも構わないので
 私は行きません」と言いましたが

「結局何かあったら、警察から娘さんに
 連絡がいくことになってしまいますから
 迎えに来て安全に連れ帰ったほうがいいですよ」と。


日々の暴言
わがまま
人間とは思えないような生活ぶり
たびたび病院などから呼び出される


自分の生活がどんどん浸食される。


しかも私はどうやっても
父から逃れることができないんだという絶望感。



私はなにも悪いことしていないのに!
私は人に迷惑かけないように頑張って生きてるのに!



好き勝手やって
おかしくなっている父の尻拭いを
ずっとしていかなければいけないなんて
私は何のために生まれてきたんだ・・・



まるで底なし沼に引き込まれて
意識はあるのに息ができない

真綿で首を締められながら
生きていたような感じがします。



 

なんとか精神科のベッドが確保できて
入院できるとなった時も
父は嫌がって
電車で逃亡しました。


追いかけて行って
やっと電車から引きずり下ろした
駅のベンチで
次々とやってくる電車を見ながら
ふと思ったのです。


ここで終わりにしよう。
父を突き飛ばして
私も一緒に飛び込めば
全部終わりになる。

こんなこともう
終わりにした方がいい。


いっぽうで
電車が止まってしまったことで
どのくらいの損害賠償請求が
家族に来るんだろう?と
妙に冷静に考えている自分もいて

二人の自分が同時に存在しているような
奇妙な感覚を今でもはっきりと覚えています。


結局飛び込むことはなく
仕事終わりの夫も駆けつけてくれて
無事1か月入院させることができました。

心底ホッとしました。

最後まで抵抗して
私の腕を、アザができるほど
掴んだ力の強さや

ストレッチャーに乗せられ
手を拘束されながら
病棟に入っていくときの
狂った目は
一生忘れられませんが・・・・


その後もいろいろありましたが
母が心不全や肺炎で命の危機があったり
車いす生活になった頃から
人間らしい優しさを見せたり
家のことをやったりするようになり

今がいままでで一番落ち着いて過ごせています。

でもこれは
たまたまそうなっただけで
運が良かっただけ。

アル中の場合は
再び飲酒してしまい
ホームレスになったり
事故にあったり、肝臓の病気になって
命を落とすことも良くあります。

私自身も
父が死ぬまで絶対にもうお酒を飲まないなんて
確信は全く持てません。

こういう人がいると
家族は本当に大変です。

いつ終わるかも
果たして終わるかどうかも分からない
暗闇の中で
生きて行かなければいけないからです。

その苦しさが
私には良く分かります。


どうすれば解決するか?


ごめんなさい。

その答えを私は持ち合わせていません。


でも一つだけ


助けを求めてください!

なかなか辿り着けないかもしれません。

でも必ず、あなたの状況を分かって
手を差し伸べてくれる人はいます。

想いを受けとめ
ここまでの苦労をねぎらい
ボロボロのあなたを
癒そうと力を尽くしてくれる人は
必ずいます。

だから諦めずに
助けを求め続けてください!

問題を持つ当人をどうにかするのは難しいです。

あなた自身を救ってください!

 

今、嵐の真っただ中
荒波に翻弄され続けているあなたの先に
光と凪が訪れますように。