未曾有の経済危機と言われる中、2010年度新卒の採用活動が開始となりました。
学生の危機意識は高く、通常より早く動き出している人も多いようです。また時勢を反映して、景気に左右されない業界が人気を集めています。
そんな中、日本経済新聞社は、2008年12月から2009年1月にかけて、2010年春卒業予定の全国の大学3年生を対象に、就職希望に関する調査を実施しました。そこでのキーワードは、「生活と仕事の両立」でした。
■女性の75%、男性も57%が「生活と仕事の両立」を希望
調査では、就職希望企業、志望理由、就職観、就職希望職種などを質問しています。
このうち「就職観」は、以下の順位となりました。
1位 自分の生活と仕事を両立させたい
(男女別・文系理系別・大学院のいずれも1位)
2位 一生、同じ会社で安定的に働きたい
(男女別・文理別で2位、大学院で3位)
3位 社会に貢献できる仕事がしたい
(大学院で2位、男女別・文理別で3位)
生活と仕事の両立、そう「ワーク/ライフ・バランス」が最も重要項目となっているのです。
特に女性は75.5%を占め、よりバランスの良い生活を望んでいることが分かります。一方男性も57.2%が重要視しており、「ワーク/ライフ・バランス」は「女性が仕事と子育てを両立するだけのものではない」という考えが、浸透していることが分かります。
■女性は「活躍できそうな企業」を希望
次に「就職希望企業の志望理由」を見てみると、男女別・文系理系別・大学院のいずれも1位となったのは、「仕事が面白そう」でした。
その他カテゴリー別に見てみると、「女性が活躍できそう」は、女性の70.0%が挙げており、女性カテゴリーの中では4位でした(2位は「社風がよい」、3位は「規模が大きい」)。一方男子は2位が「規模が大きい」、3位「一流である」、4位「社風がよい」でした。
将来の人口減による労働力不足を補う人財として期待されている女性を獲得するには、「女性が活躍できる社風」が求められています。
■「ワーク/ライフ・バランス」と「女性の活躍」は人事戦略の一環
優秀な人財の確保は、企業の継続に不可欠です。
そこで、欲しいと思う学生にとって「入りたい」と思ってもらえる企業となることが求められます。
「ワーク/ライフ・バランス」と「女性の活躍」は、CSRや福利厚生ではなく人事戦略として、取り組んでいくことが必要ですね。
「日本経済新聞」2009年2月23日付 第二部 より
日本経済新聞HP「NIKKEI NET」はこちらをクリック