着物好きの間では、今年の大河ドラマ「光る君へ」は好評のようですね。
かく言う私も、下手な月9よりよっぽど月9な大河、娘が録画しているので一緒に見てます。(多少の抜けがありますけれども)
大河、多くの方々と同じく、毎年は見ていません。一昨年(2022/R4)の「鎌倉殿の十三人」は、しっかり見ました。その前は「麒麟がくる」(2020/R2)。
たいてい俳優で決まりますよね。次が題材。誰を取り上げるかって、やっぱり大事。
祖父が歴史ものや紀行ものの番組が好きだったので、子供の頃には毎週つけていましたが、意識して見たものや強い印象が残るもの以外、全く記憶に残っていない有様。
頭の体操がてら、wiki等を参照にしつつ、幾つかあげてみようと思います。
〇最初の最初、大河以外も含め忘れられない歴史ものドラマの記憶の初めは、小学生の時の「風と雲と虹と」(1976/S51)。
平将門さまを崇めるようになったまま48年です。神田明神には何度か参詣を。加藤剛(敬称略)が演じたのが大きい!二枚目の基本。
こめかみに矢が刺さって平将門は果てるのですが、そのシーンのインパクトたるや。あれがラストシーンだとすっかり勘違いしておりました。その後もお話は続いていたのを、さっき調べて知ったという。(苦笑)
〇高校の時にやってた「峠の群像」(1982/S57)、忠臣蔵もので、大石内蔵助は緒形拳、吉良上野介は伊丹十三。自分の意志で最初から最後までしっかり見た、初めての大河です。
小林薫の不破数右衛門がニヒルでカッコよくて、それ以来ずっと地味にファン。長いなー。「深夜食堂」にキャスティングしたスタッフ、有難う。
余談ですが。数年前の夜、娘が都内のオシャレな店で同僚と食べていた時のこと。後ろの方の席から「テレビで聞き覚えのある声」が聞こえて来て、もしやと思い帰り際にそれとなく目を走らせてみたら、思った通り小林薫。プライベートなのが分かったので声を掛けたりはしなかったけれど、あのまんま渋くてカッコ良かったそうです。
その不破数右衛門に思いを寄せる町娘役が、樋口可南子。綺麗で可愛くて、魅せられました。樋口可南子は、初々しいこの役がその後も含めて一番良かった。
野村義男や錦織一清を始め、アイドルも沢山出ていたので、同級生も多く見ており、月曜日には盛り上がったのを思い出しました。(笑)
私、この「峠の群像」が忠臣蔵の基準になりまして、若くして配役で物申す女になってしまいました。(苦笑)
当時から、ちょっとどうなの?や、後から他の作品を見て、あの配役は違ってたなぁとかありましたが、それでも主な配役には納得性と妙味があり。
大石内蔵助や浅野内匠頭は、まず外れませんから構わないんですが、それ以外、瑶泉院に堀部安兵衛や不破数右衛門や清水一学…等々はね、物申すになりますって。
演技力があれば良いというものではなくてね。品に欠けたりルックスが今一つの瑶泉院とか、文化的に見えない吉良上野介とか、腕の立たなそうな堀部安兵衛とか、意志の弱そうな大石主税とか勘弁して欲しい。
〇祖母と母が好きだった「おんな太閤記」。佐久間良子が主役のねね・北政所。秀吉の妹に泉ピン子。他にも長山藍子、赤木春恵等々、橋田壽賀子一門、勢ぞろい。
日曜の夜8時なんていう時間に(共働きで翌月曜からまた普通に仕事で朝早い)母がテレビを見ることはそれまでなかったのに、洗い物や洗濯を後にして、この一年間だけは座って見てました。祖母も母も、女優さん目当て。
私もつられて見ていたので、信長・秀吉・家康へと繋がるあの時代の概要は、この「おんな太閤記」で覚えました。
〇「独眼竜正宗」(1987/S62)が、随分と長い間、私のベストワンでした。藩は異なれど、伊達政宗は、やっぱり東北人にとってのヒーローなんですよ。
母の岩下志麻、正室・愛姫を桜田淳子、子供時代に後藤久美子、側室は秋吉久美子。皆、綺麗でした~。戦国時代後期をざっと知るのに丁度良かったです。
〇ずっと飛ばして「龍馬伝」(2010/H22)。単純に娘が福山雅治のファンでして。
資料も多く、皆が知る幕末の話なのに、香川照之演じる岩崎弥太郎との絡みを始め、史実と異なる大胆な脚色。それでも、日本史の苦手な娘が当時の概要を知るには役立ちましたし、ドラマとしての仕上がりは良かったと思います。
〇綾瀬はるかが主役の「八重の桜」(2013/H25)は会津藩が舞台。それなりにちゃんと見たはずなのに、鉄砲(スペンサー銃)を撃つ綾瀬はるかが最高にカッコ良かったこと以外、スコーンと抜けていることに我ながらビックリ。
綾瀬はるかちゃんは、10年経った今も福島を第二の故郷として、イベント等で訪れてくれています。こういう地道な活動が、女優として後々生きてくると思います。
最新の武器は基本、外から入って来るものなのね~、最初の種子島の時からだけど…と学んだ大河。
米国の動きを察知して、原子爆弾を日本でも作ろうと戦時下で開発・研究していたと知ったのは平成中期。西洋の近代科学・化学が入ってきてまだ50年くらいなのに、そこまで進んだのって単純に凄いなあと。飛行機技術もですが。恐れ入り奉り候。
〇「真田丸」(2016/H28)は、映像より何より音楽が!今でも「真田丸」と見聞きするたび、あのバイオリンの音色が響いてきます。大河の名曲中の名曲。
思いのほか、長くなってしまいました。。
5月26日放送分での「枕草子」誕生の話が良くて良くて。
史実では、紫式部と清少納言は宮仕えした時期が異なるため交流した形跡は無いそうですし、「紫式部日記」で清少納言(や和泉式部)を批判していたりするのですが、そういうことはこの際どうでもよく。
ドラマに於いて、国民の多くが知っている史実を変更する脚色は、脚本家の腕の見せ所。大石静氏、さすがです。
泣けましたよ~。ほろほろと。
「たった一人の哀しき中宮のために『枕草子』は書き始められた」。。
御簾をそっと上げて、中宮定子の枕元に静かに置かれた「枕草子」。将門公の最期や、真田丸のオープニング曲と同様、忘れないと思います。
清少納言を演じているのは、声が低めの知的で意識高い系に見える(見せている)ファーストサマーウイカ。書道を10年習っていたそうで、促されて筆を執るシーンのために練習も重ね、それゆえ映像でのあの美しい文字は直筆とのこと。お見事でした。
高校の時から「枕草子」が好きなんですよ。
これは分かれますよね、自然と。「源氏物語」派が大勢。
和泉式部に惹かれていた、早熟な?同級生も結構いましたし。
いずれにせよ、平安の女流文学に興味を持ったことに変わりはなく。
文学の好みはさておき、当時の衣装は重ねの美学。ある意味、女の人生そのもの。
「とりあわせを楽しむ 日本の色」
「光る君へ」での、衣装の重ねの色味の素晴らしさたるや。超一流の方々の手によって彩られているのですもの、当然ですね。年齢を経て変わって行く衣装も面白く。
私、再び着始めての40代後半の数年は、昭和風味からの脱却がテーマみたいなところがあって(苦笑)、シンプルに、シックに、現代風に(平成風に?)見えるよう、黒い帯にばかり目も手も伸びましたが、落ち着いた今は色探しになってます。
「枕草子」好きのまんま、着る物も、ちょっとサッパリ系というか余り飾らない方が好みで楽なのですが、それでも着物は小物も含めると結構な数を重ねるもの。
グレイヘアにして丸5年。後ろはまだ黒いけれど前は白くなってきたことだし、もっと色合わせを楽しめるよう、年齢のまま地味になるのではなく、色を使うべく本をめくって目を慣らし、色遣いをインプットしています。
平安時代に垢ぬけた形に整えられたのでしょうけれど、それ以前から使われ継承されてきた色なわけで、日本の風土に合った色だからこそ残って来たんですよねえ。
風景は変わり温暖化で気候は多少変わってきたとしても、基本的な風土はおそらくさして変わらず。それなら、子孫である私達も和の色の重ねが使えないはずはなく。
急には無理ですから、少しずつ取り入れてみようと思っています。
あ、「枕草子」も、現代語訳のものを読み直そうかな。
長くなりました。お読みいただき、ありがとうございます。