中学・高校の頃は、6月1日の衣替えが憂鬱でした。
そこそこの年齢で、北東北や北海道の出身の方なら思い当たるかと思います。寒かったんですよー。夏服になるの早過ぎ。
とにかく半袖なんてとんでもなく。男子はさておき、女子の殆どは長袖でした。
今は自由度が上がっていますから、各々で適宜調整させてもらえるでしょうけれど、昔の学校は服装に厳しかったですからね。
セーラー服やジャンパースカート等の上に、カーディガンを羽織るなんて考えられない時代。7月まで長袖の子もざらにいて、寒さに震える6月でした。
それがまあ。一年の半分近く、半袖なり七分袖を着るようになるなんて。
勿論、東京に住まいを移したことが大きいのですが、だとしても、です。
平成一桁生まれの息子と娘が中学高校くらい、つまり平成の半ば辺りまでは、まだ5月は長袖、6月には半袖にしつつも、長袖も同じように着ていた記憶が。
とっくのとうに、今は昔の戯言になりました。
私自身もですが、単衣の時季が長くなりましたものねえ。。
先日の暑さでは、一足早く薄物をお召しの方もいらしたそうな。
オシャレ着でしょうし、時期的に透けないものを選ぶでしょうし、夏ナツしなければ、もうその方が良いですよねえ。キモノ着て、暑さで参ってしまうのは本末転倒。
カンタービレの朝香様が、黒や紺等、濃い色目の麻や絽の長襦袢を紹介なさったのは何年前でしたか。日常的に着ている人ならではの視点で、さすが!でした。
ひと昔前とは気候が変わってしまった昨今、着物好きの間に一気に広まって、薄物を透けないように着るのが定番化した感がありますね。ありがたや。
かく言う私、まだ濃い色目の薄物用の長襦袢・半襦袢を持っておりません。
ここ数年、実母の入院があり実家に帰省してこともあって、キモノを着るのは夏と冬。単衣は、とんとご無沙汰。襦袢について悩むこともありませんでした。
今年のGWに、ホント数年ぶりに単衣を着たら、なんとも気持ち良くて。
冬に着る、厚めの肌着やステテコ系が不要なのが大きいのかな?上も下も、汗取りのための薄めのものに変わりますから。
着物を軽やかに着られるのは、とっても心地よく気分よく。
暑さが早く訪れ長く居座るようになって、単衣を着る時季が延びたかと思いきや、薄物が前後に広がったという話を読んで、確かにそうかも…と思った一人です。
でも。そういったことが分かりつつも、出来るだけ長く単衣を着たい派。
単衣、好きなんですよ~。
今年の春時季に着られるかどうか微妙ですが、とりあえず出しておきました。
GWには紺色の大島を着たので、水色系グレーの横段の紬を。
こちら、リサイクルで反物を買い、後から仕立てに出しました。「西陣織」とだけ書かれており、証紙とは呼べないであろうシールが貼られていた代物。
着物を再開したばかりの頃だったので、産地に凝るというような考えは微塵もなく、とにかく着られるキモノを増やしたいという一心で選んだもの。
似合う色味ですし、買ったこと自体は後悔していませんが、仕立てを間違えました。厚みがないので、単衣に向かないんですよ。袷にするべきでした。
八掛に迷って決められず、それならいっそのこと単衣にしてしまおうかな…という、恐ろしく消極的な理由で単衣にしてしまいました。
若い頃の単衣は、シミだったり若過ぎる柄だったりと着られるものがなかったため、気持ち的にはまあ良しだったのですが、着てみたら上前や袖がひらひらして。
全くもって重みや厚みが足りず、単衣に向かない生地でした。着ないと気付かなかったのが情けない。(涙)
紬ですから、やわらかものと違って裏が白くないのだけが取り柄です。(苦笑)
ひらひらは諦めて、この先も何年か着られるだけ着て、60代後半になったら、袷に仕立て直そうか?と考えたりしてます。それくらい軽め。
ただでさえ着る機会の少ない単衣時期、雨の時はポリにしちゃうし。仕立て直しを決断するまで10年あるとして、いったい何回着られることやら。
皆様方におかれましては、どうかこんな失敗はなさいませんよう。。
お読みいただき、ありがとうございます。