春らしい陽気の東京です。

 

3月頭から徐々に、多摩丘陵の低い山々に白や薄桃色が入るようになって。ああ、花が咲いているんだなあと遠くからでも分かります。咲いていたのは、金縷梅(マンサク)、梅、桜、木蓮、辛夷…他にもあるかな?

 

冬の鎮まったような山も、それはそれで厳かで素敵なんですけれど。

 

何がどうということもないのに自然とウキウキしてくる春は、まさに「青い春」といった趣。朱い夏になって、白い秋が来て、玄い冬を迎えて…。

 

四季がはっきりしている国に暮らす日本人と、季節の移ろいがあやふやな国に住む民族とでは、死生観が異なるのも当然よねぇと思うのが、春です。

 

桜のせいですかね?桜の木の下には○○が埋まっているとかも言うし。

 

散り際まで人々を魅了させるソメイヨシノは終わり、今は八重桜が満開です。

 

 

 

アラサーの娘、いわば朱夏の季。

今の娘の年齢の時、私は年子2人の子育てでアップアップでした。(苦笑)

 

友人達は、20代半ば辺りから次々と順当に結婚しておりまして。我が娘と息子は全くその気配すらありません。私のせいでもあるよねえ…と、諦めている母です。

 

 

消したと思っていた画像、娘の部。その1。(順番で言えば実は2番目ですが)

 

2022年春に、友達の結婚式が都内の歴史ある式場で行われまして。高校時代に部活を頑張った仲間達。海外にいるとか入院中とか不幸とかでなければ、参列。

 

趣のある式場ですし(ドラマや映画で使われることもある)、私も東京におり着付けに困らないので、せっかくだから着物に。

 

当たり前に訪問着か付下げをと準備をしていたのですが、他の友だち達が黒や紺の地味目なドレスなので、浮かないように色無地を。

 

まあ27.28歳くらいまでなら、もっと派手めなというか、色のあるドレスを着ていたのでしょうけれど、結婚したり子供産んだりしてるものでねえ。

 

アラカンからすれば過ぎし日を振り返り、20代なら何でも似合うんだからピンクでも水色でも良いだろうと無責任に思ってしまいますが、当事者はそうは行かず。

 

常識があればあるほど、年齢と先のことを考えて地味な色目にしますわな。それと母親になったということは、少なからず体型に問題が発生することもあるわけで。よって新しく買うことになり、それならやっぱり黒や紺が定番。

 

それゆえ友達に合わせて色無地に。後で写真を見せてもらいましたら正解でしたよ。

 

私の訪問着や付下げは決して派手ではありませんが、そうは言ってもやっぱりね。一人で目立ってしまうところでした。薄めの色無地、作っておいて良かった。

 

 

帰宅後。

帯揚げは、薄紫に金彩入り。帯締めも、薄紫に金糸。

 

私が自分用に買っておいたものなので、娘にはちょっと地味。新しく用意しようとネット徘徊していたら、こちらで良いとのこと。こういうところは親孝行w。

 

 

帯は、私が若い頃に、たぶん三越で買った袋帯。大好きな蝶文。

 

四半世紀以上、寝かせたままでしたから、陽の目を見られて嬉しい。

 

何本かある袋帯を乗せて娘と相談。他にも合うものはありましたが、一番明るく若々しく、結婚式に相応しい縁起の良い柄でもある蝶文が目立つ、こちらに。

 

 

着物は私のものではなく、娘用に新しく誂えた色無地です。縫いの一つ紋付き。

 

上の画像だと、色がホント分かりませんので、↓端切れをば。

 

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国産、三眠蚕糸使用。

 

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地紋のアップを。桜と楓ですね。

 

娘のために誂えた、初めての着物です。

 

娘が若い間は、私の訪問着と付下げで何とかなるだろうと思っていましたが、結婚した時に困らないよう、とりあえず色無地だけは作っておこうと用意したもの。

 

出来ればお茶も習わせようと思っていましたし。(就職先の時間帯が余りにも不規則、且つ夜に食い込むので、今は母娘共に諦めてます。そのうち年取ったら)

 

思いがけず役に立って、母として満ち足りた気分です。

 

 

フォーマル草履・横から

草履はこちら。金鷲製。

白に見えますが、ごくごく薄~いパープル、薄紫です。

 

要は略礼装ですから、着物の格的にも物理的な高さとしても、低すぎず高すぎず丁度良かったと思います。

 

 

バッグは、母(祖母)のビーズのもの。

小さくてスマホとハンカチしか入らないので、披露宴のみで使用。

 

これまた役に立って嬉しいのなんの。母が転んで頭を打って脳挫傷になってしまっていなければ、どれだけ喜んだことか…。怪我が返す返すも残念。

 

 

結婚式に何度か出席している娘。関係性や会場や披露宴の具合等で、着物も選択肢の一つになっているのが有難く。

 

花嫁である友達の親御さんには、とても喜んでもらえたそう。

(振袖でも訪問着でもないのに…と正直、私は恐縮してしまいましたが)

 

加えて「あの…着慣れてますよね?」と言われたものだから、ハッタリかましてw「ええ、たまに着てるんです」(ニッコリ)と、答えたそう。まあ、ゼロではないので嘘は吐いてないのだけれども。さすがだわ。

 

 

再び着始めて間もない頃、娘がいないところで決めた着物ですが、色も似合っていたし、改めて見ると地紋も生地も良いもので、満足のいく買い物でした。

 

何年かに一度で構わないので、長く着続けてくれることを願っています。

 

 

お読みいただき、ありがとうございます。

 

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