久しぶりに図書館で「七緒」を見ました。

 

時間がなかったのでパラパラと捲っただけ。他に借りる本があり、欲張って借りても読み切れないしと戻したのですが、また買いたくなりました。

 

書店の店頭で販売されている着物雑誌の中で、一番合うのが「七緒」。カジュアルに着ている身には丁度良く。以前は定期購読も。

 

着物をお召しの皆様の中には、2大着物雑誌「美しいキモノ」「きものサロン」を、いつもお読みの方も多くおいでのことと思います。

 

私も若い頃には「美しい~」を買っていました。一人暮らしで祖母や母に聞くことが出来なかったため、合わせ方の基本を教えてくれる有難い雑誌でした。

 

言うまでもなく眺めるだけで楽しいので、ずっと保存していました。が、大学生の弟と暮らすことになり、間取りの関係上、泣く泣く処分。

 

それから2年後、天皇陛下崩御の数日前、昭和64年のお正月に振袖を着たのが、若い頃の最後の着物になりました。

 

 

およそ四半世紀たった平成23年に再び着始めてからは、「七緒」が創刊されていたのでそちらに移り、「美しい~」は江戸小紋や紬の特集の時とか、たまに購入。

 

掲載してあるものを買うことなんて、今も昔も出来ていませんし、たぶん今後もありませんが、取材力が高いのでホント勉強になります。

 

 

何を今更なんですが、着物も洋服もその時に手にする雑誌によって(若い人達なら自ら好んで見るインスタによって?)、着るものが異なったタイプのものになる、その当たり前の違いが面白いですよね~。

 

 

今年3冊目の、ファッションの指南書。

 

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『脱「若見え」の呪い 素敵なおばさまのススメ』

地曳いく子著 マガジンハウス 2017年10月発行

 

3冊ブログアップしていますが、3冊目のこちらが一番早い発刊でした。(苦笑)

 

色んなことを教えて下さっているのですが、その中でも珍しいのが(他のスタイリストさんの本では無かったのが)、「ファッションの履歴書」。

 

アラフィフ~アラカンの7名の方と、この本でイラストをお描きのカツヤマさん、それと著者である地曳さんご自身が、辿って来たファッション履歴を振り返ってます。

 

家庭環境や住んでいた地域、未婚/既婚/離婚、職種等の「背景」を踏まえ、「学齢前」から「現在」まで、年代別に表記。

 

人によって、年代の分け方が異なるのもリアルで。子供の頃はどうしたって、親や学校、地域の影響を受けますものね。

 

地曳さんも「母親からの影響大」だと、他の著書でもお書き。お洒落なお母様だったから服飾の基礎が確かで、スタイリストとして成功なさったのだろうと推察。

 

中でも肝心なのは「高校~20代」ですね。人により「20代」もプラス。

 

自分なりのオシャレに目覚め、お金も(ある程度)自由に使えるようになって、自分のオシャレの基本が出来上がり、スタイルとして確立して行く時期。

 

(高校だと好きに買うのは金銭的に難しいけれど、二人の子を育てた親の側からすると、好みや似合うものがハッキリして来たのが分かるので、予算という枠内ですが、子供が欲しがる服を買っていました。おそらく大抵の親御さんは同じかと。)

 

 

この項、「女の服は履歴書」から抜き書きしますと

 

『さて、なぜ履歴書なのかというと、自分がこれまで何が好きだったかを見つめ直し、これから何が好きでいたいかを見つけるためです。

私たちは、好きなものが分からなくなるから、道を見失っちゃうんです。』

 

見失いましたねー。

 

アラカンとなった今は、お出掛けにはキモノと決めたこともあり、まあまあ大丈夫ですが、それでも周りや環境に流されて、ブレブレで大迷いですよ。

 

私にとっては「小綺麗」が一番大事。

 

とにかく「オシャレを頑張っている人」にはなりたくない。それが最も避けたいことで、そう見られるよりは、オシャレに興味がないと思われる方がマシ。

 

…これは、母や周りの大人、近所や同級生からの影響です。悪い方の。

 

年を取ってからは良くなりましたが、「そんなにオシャレしてどこ行くの?」系のからかいや、男の目を気にしてる・男に媚を売ってる系の蔑みや嫉妬を含んだ意地悪や。「色気づいて、まあ」みたいなのとか「誰に会うって?」とか。

 

母からは、後日の「近所の人にこう言われた、ああ言われた」が煩くてもう。

 

母は同居の舅姑の手前もあり、とにかく世間体を気にする人。噂に上るとか大っ嫌いで、自分の気持ちより世間の常識に沿うことを求め、それは倒れるまで続きました。

 

(余談ですが、コロナ禍の2020年、「近所の人に何言われるか分からないから、帰って来ないで」「娘さん東京から来てるんだよ、って言われたくない」とのことで、前年2019の夏以来、帰らず終い、会わず終いになってしまいました。。)

 

結構、引き摺っていました。「オシャレすると(力入れると)何か言われる」って。昔の田舎では大きいですよ。あ、今もかな?フェスで弾けるのって同じかな?

 

「ええかっこしい」も正直ありますが、「目立たない程度に普通に」を好むように仕向けられ、そう育ってきてしまった気がします。半分は自分の責任。

 

 

でも、でもです。そうあるためには、「目立たない程度に普通にオシャレ」であるためには、結構頑張ってオシャレしないと難しい年齢になったんですよー。

 

若い頃とはワケが違うのは分かっていますが、ついこの前と思われる40代後半・50代前半までとも、体型も肌のくすみ具合も髪のよれ具合も、大いに違ってますから。

 

否が応でもそれなりに頑張らないと。オジサンになるのだけは避けたい。

 

そこで、好きだったものを思い出す作業なんですね。読んでいた雑誌、着てきた服を思い出しながら振り返ってみると、これからどうすべきかが分かって来るという。

 

 

こちら、本をめくってすぐに、写真と説明があって。

右(最初)が「ハマトラ」、左(二番目)に「オリーブ」 80’s

次をめくると、右に90’s として「ジュリアナ」

左に21thで「ブリジット・マクロン」(仏エマニュエル・マクロン大統領夫人)

 

(またまた余談ですが。地曳さんは、別の本でもこのマクロン夫人を大絶賛していますけれども…。

私の周りだけかもしれませんが、我々息子を持つ大抵の母親達からは正直好かれていませんし、肝心の「ファッションアイコン」にもなっていません。

やっぱり息子に自分と年がそう違わない女性(この人は24歳上)は受け入れられないのが一般的。頭では理解していても、気持ちや心では勘弁して欲しいのが本音。兄弟でも嫌という人も。「(色々と進んでいる)おフランスでの出来事だから」と皆でお茶を濁しておりました。

今ここに書きましたが、就任当時に気心の知れた友達数人と子供の結婚話つながりで話しただけで、話題にもなりません。ファッション業界では人気がある(あった)のかもしれませんが、ファッションに関する話でも出たことは皆無。タイで捕まった若作りの自称エリコさんの話なら、何度もありますが。

そう変わらない年代であっても、独身か既婚か、子供の有無に兄弟の有無、就いた職種等々で、視点も感じ方も考え方も大幅に異なることを改めて教えられました。)

 

 

ところで。私は「オリーブ」でした。

 

それ以外は、最初の最初は中学生で「セブンティーン」、高校生で「mcシスター」。その後も順不同で「ノンノ」「anan」「装苑」「モア」「Lee」「Grazia」「クロワッサン」etc、30代以降で一番影響を受けたファッション誌は「ヴァンテーヌ」。

 

振り返ってみると、やっぱりああいう感じが今も好き。

 

「オリーブとヴァンテーヌは違うでしょ」と突っ込まれそうですが、私の時間の経過(要は加齢)があってですね。色使いとか、激しくないところとか、男受け狙い過ぎないところとか、足すところと引くところ、あくまでも ”私にとっては” 似てます。

 

雑誌でも本でも映画でも何でも、その人がどこに注目するか、どこを取り上げるかで変わるものですから。

 

 

捨てなきゃ良かったなーと前も思いましたが、何に限らず特別気に入ったものって、後からそうなりがちなんですよねえ。その時点では納得しているのだけれど。「オリーブ」は年齢的に仕方ないけど、「ヴァンテーヌ」は悔やまれる。

 

そういう後悔があるので、本棚の「美しいキモノ」「七緒」を始め、着物関連の本は、母が遺した主婦の友や婦人倶楽部の『付録の冊子』と共に、永久保存。

 

処分は娘に依頼済みで、承諾済み。着物と一緒。

雑誌も本も、着物も洋服も、自分の「好き」にまみれて存分に楽しみましょう~。

 

 

長くなってしまいました。

お読みいただき、ありがとうございます。

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