うちの近所には椿が多くて、山茶花は一本だけ。濃いピンクです。

 

♪山茶花 山茶花 咲いた道  焚き火だ 焚き火だ 落ち葉焚き

 

今、焚き火をしているところなんて、山奥だけでしょうね。

それこそ昔は、家で出た紙ゴミはドラム缶に入れて焼いていました。昭和50年代。

 

そんな経験上、焚き火に慣れていたはずの私でさえ、どこかから流れてくる煙に不満タラタラ。春からずっと悩まされてきました。せっかくの良い天気を棒に振ることになりかねず。

 

洗濯物やお布団に煙の臭いが付くのは、やっぱり嫌なんですよねえ。東京の生活が長くなったせいもあるのかな?とは思います。子供の頃は、そんなものだと思っていましたから。

 

生活が変わり年齢が変われば、考えることも願うことも評価することも変わって行くもので。

 

 

 

弟の部屋には、昔のコミックが並んだままです。

天気が悪かったここ数日、掃除がてらパラパラと読み返してみたりしてました。

 

「タッチ」とか「ガラスの仮面」とか。懐かしいでしょう?

 

それらを見ていて分かったのが、フィクションとリアルの配合の巧さです。

 

当時は、ストーリーの面白さに惹かれて夢中になって読んでいたわけですが、それでもきっと、その配合の良さに上手い具合に導かれていたのだろうなと。

 

【鬼滅の刃】のヒットは、少年誌でありながら、30~40代の女性の心をつかんだからだと言われています。まさしくその通りだと思います。50代半ば過ぎの私もハマリましたから。

 

理由は沢山あり、考察もあちこちでされています。私なんぞがあれこれ言うのも憚られるのですが、後々見返した時用に書き残しておきます。

 

 

色々ありますが、その一つが、やはりフィクションの中のリアルさだと思っています。

 

少年マンガを読んで、主に女性が「やれやれ」「はいはい」と思うのが、やたらと主人公が強くなって最後にはラスボスと主人公が1対1で戦ったりすること。その部類。

 

年齢からしても技術・体力・経験値等々からしても、「そんなはずあるかーい」って言いたくなってしまう展開が、それこそごまんとあって。例をあげる気にすらならない。

 

同じく、少女マンガに主に男性陣は「こんな展開、バッカじゃねえの?」と思うわけですよ。「ありえねえっつうの」は、その通りだと思います。

当方もそれで離れたクチ。

 

少女の夢や理想に合わせて描かれているんですから、そうなるのは必然で、言ってみればご都合主義上等、なんですよね。ありえない展開こそが想定内。

 

どっちもどっち、でございまして…。

 

どうしたってそういうマンガが多くなる中、ヒットして特定ファン以外の一般人にまで読まれるのは、架空の中にリアルさがあるものなんですよねえ。【鬼滅の刃】で再度確信しました。

 

 

【ガラスの仮面】での、稽古や舞台本番のリアルな感じに驚いた方、多いと思うんです。高校の同級生の何人もが感動し過ぎて演劇部に入り、大学・短大、その後も続けていたり。

 

忘れられないのが、ホントに初期の頃、恋する表情が出来なかった姫川亜弓が、ちっとも興味なく微塵も好きじゃない格下の男の子と付き合って、その子が自分に向ける目を真似して表現したこと。当然、その舞台が終わったらお役御免でポイ。

 

凄い世界だなーと呆気にとられつつ、そういうことはきっとあるのだろうと納得もし。

 

映画やドラマでも、撮影中は付き合って終わったら別れるなんて昔からよくあったじゃないですか。リアリティを出すために付き合うんだから、仕事上での必然の行為。姫川亜弓と同類。

 

いや、そうでない人も多くいますけれどね。あくまでも一例。

 

【花より男子】も、設定は「いい加減にしろよ」と言われても仕方のないレベルですが、各キャラの台詞や歩み寄り方、惹かれていく道筋は、意外とリアルで理解できるものでね。

 

 

【鬼滅の刃】は何と言っても、主人公が柱ほどには強くならなかった。確かに成長して力はついたけど、柱の実力には及ばなかった。これに尽きるのではないかとさえ、思っています。

 

あくまでも主人公は努力型。最初に修行する回が何度かあって、そのことを読者に分からせているんですね。(中には読み取れない人もいたようですが、肩入れ過ぎ者は仕方ない)

 

普通の少年マンガであれば主人公に付き物の「天賦の才」は、別のキャラのものだし。

 

その「天賦の才」持ちキャラも、14歳という若さによる実戦経験不足や体格の小ささで、強敵には力及ばず。あと4~5年後だったら…と、読者に泣きながら思わせる巧さに舌を巻きました。

 

あと、元々強い人は訓練すれば尚更強くなる、っていうのも何気に有難く。

 

〇双子の兄と暮らしていた山の家を鬼に襲われ、朝まで格闘して倒した「天賦の才」持ち少年の柱

〇鬼になった母を殺めた後、野良で鬼狩りして暮らしていた過去を持つ柱

〇孤児たちを育てていた寺を襲われ、朝まで殴り続けて鬼を倒した柱

 

つまり鬼殺隊に入る前から自力で鬼を倒した経験のある柱は、やっぱり底力が違っている描き方も良くて。

 

何と言いますか…自分が生きてきた道程を振り返ってみても、子供を育てた経験からしても、こういうのって意外と大事でね。

 

女性の中でも特に、子供と一緒に見た「30~40代のママ達」ってのが肝だなと思いますよ。分かってるなーと、20~30年前は若いママで今は姑の年齢の者は思いました。

 

山育ちの猪頭少年が、一つ一つ人間の文化を学んで成長していくのが嬉しい人もいるでしょうし、普段は意気地なしの黄色い少年が、いざと言う時には本領発揮で誰よりもカッコいいし。

 

こうあって欲しい、という願望も無理なく描かれているんですよねえ。

 

で、しつこく書きますが、その主要キャラの3人の少年達と同僚のヒロインの少女は、強くなるにはなったけれど、柱には及ばない。その加減が絶妙で。

 

 

主人公の兄弟子は、過去の出来事に加えメンタルの弱さもあって、柱としての自覚も自信も持てずにいたけれど、最後の最後に「水柱として恥じぬ戦いを」と目覚めるのも良くて。

 

実際そういうこと、ありますもん。

 

主人公と何度も諍いを起こした風柱は、戦い方がまさ喧嘩殺法。鬼殺隊を知らず、野良で鬼狩りしていた過去に説得性があってもう。燃焼材(油)を調達して掛けて、マッチで火をつけて燃やすなんて、他のキャラじゃ思いつきません。拳銃も軽々と扱えたり。そういう細かい描き方が凄いなーと。

 

煉獄さんの育ちの良さも、何気ない絵柄でさらっと分からせてくれたし。人格の素晴らしさも押しつけがましくなく、良家に生まれ、あの母君の言葉を胸に育ったら、ああなるだろうと。

 

 

何と言っても、生き残ったのは、「実践経験+体格&体力+技術」の総合力ですもんねー。文句の付けようがありません。(分からない子供はいたようですが)

 

普通の少年マンガであれば、全く違う結末になっていてもおかしくありませんでした。後から作者が女性だと知って、物凄く合点がいきましたよ。だからか~と。忖度なし。

 

架空の中における現実感と合理性、その塩梅は見事としか言いようがなく。

 

男女比がどうなっているのか詳しいことは知りませんが、女性が求めるリアリティが程よくて、キャラそれぞれに作者の当初の想定以上に命が吹き込まれたのは事実かと。感服。

 

 

余談ですが。懐かしがって、【タッチ】の最初の方をパラパラと捲りながら。まさかこの後、かっちゃんが死ぬなんて思わないよなぁと。

 

高校生の時、とあるジャンプ発売日の翌日、泣きはらしたのが一目で分かる同級生がいたのを思い出しましたよ。私も読みながら叫び、言わずもがなで泣かせてもらいましたが。

 

 

テレビアニメ『無限列車編』、いつもなら3倍ですが、最終回は柱が出るのでDRで録画。バカだなー、昔の息子のこと言えないなーと苦笑い。

 

こんなことであっても、少しでもトキメキ活動が出来るなら御の字。

 

誰に文句を言われる筋合いがあるでなく。

気持ちを若く保つ小さな努力、恥ずかしがらずに続けるつもりです。

 

 

 

お読みいただき、ありがとうございます。

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