先日、久しぶりに着た、色掛けした紫の色無地。
もう、久々の「たれもの・柔らかもの」だったんですが、こんなに違うものかと。
こういう感じ、他には母のお下がりの絽の高級シルックだけ。
柔らかものってやっぱり良いなあ~と、しみじみ思いました。
礼装・準礼装だと、忙しいやら緊張するやらで、この感覚を楽しむどころじゃない場合が殆どですが、今回のように普段着をちょっとグレードアップって時は、気持ちに余裕あり。
しっとりしなやか。絹の着心地って、こんなに良かったっけ?ってな具合。
夏から秋にかけて、ポリと綿と麻だったので、余計にそう感じたのだろうと考察。
元はどんな着物だったか、残しておきたくて端切れを探しました。
ピンク。様々な江戸小紋の柄がランダムにブロック配置。
忘れもしない、伊勢丹のセール品。(苦笑)
買ったのは、たぶん20歳(はたち)。
昔は、素人の若い人が着物で出掛ける時は、まずウール、次に小紋。紬は、その産地は別として、こちらから求めない限り店からは勧められないし、若い人では着る人も少なかった気がします。
私にとって紬は、ある程度着慣れてから、というイメージで。
あとは、結婚の時に用意してもらうもの。
となると既婚者なので、10代や20代前半からしたら、やっぱり少し年配者。
(勿論、柔らかものより、紬を好む若い人もいたと思いますけれどね)
そういうご時世でしたから、こんなに派手なピンクの江戸小紋で出掛けても、ちっとも変じゃなかったんですよ。バブル前夜。
たいてい、飲んだり食べたりでしたからね~。
シミもかなりなもの。柄が消えるのは納得で、濃い紫色を掛けました。
シミは当然残っていますが、さほど目立ちません。ラッキー。
さて。前回、この色無地を着たのはいつだったかな?と振り返りましたら、2013年でした。
秋のお茶会。
屋内ですが、自然光の下だとこういう色。
薄い灰紫地の織り名古屋帯。
帯揚げは、たぶん白梅鼠色。(お茶会用に買ったものなので、おそらくそれ)
帯締めは、艶のある赤み藤色。(艶のため柔らかもの用)
この頃は、もっと頻繁に着るだろうと思っていたんですけれど…。
脚が痛み始めてからは、転ぶのが怖くて、どうしてもシルックが多くなっていました。ですが今回の気持ち良さで、天気に不安がない時はもっと正絹を着ようと思いました。極端な話、これで着ないまま終わっちゃう可能性だって、ゼロじゃありませんもんね。
とは言え、余計な洗濯代・シミ抜き代は払いたくないので、お酒が入る日と、野道や砂利道を歩くであろう日、雨風の日は今まで通り避けますが。
正絹の小紋、着ようと思います。
お読みいただき、ありがとうございます。