久しぶりの渋谷は、やっぱり歩きづらい街でした。
年寄りにはつらい。(苦笑)
若者が多いのでね。邪魔にならないよう(?)自分から進んで行くことは滅多に無いのですが、たまに用事が発生するんです。
一番多いのはBunkamura。
昔は「東急本店通り」と言い、今では「文化村通り」と名を変えた坂を上ります。
オーチャードホール、シアター・コクーン、ザ・ミュージアム、ル・シネマ。
渋谷に用事がある時は9割方、バレエ・舞台・美術館・映画のうちのどれか。
文化村の施設そのまんま。他に付け足すとしたら、講演会と仕事かな。
ただ今回は、珍しく文化村方面ではなく、西武百貨店やLoftがある方。
でもやっぱり用事は、基本の4つのうちの1つで。
映画を観て参りました。「日日是好日」。
たまたま娘が、渋谷で森下典子さんのトークショー付きのを見つけまして。
少し前、先月の中旬のこと。
森下先生の新刊「好日日記」を購入で、サインも頂けるという。
勿論購入し、サインして頂きました。(^-^)v
上映を終えての、トークショー。
ご覧の通り、森下典子さん、素敵なお召し物でした。
茶道のザ・制服の色無地ですが、黒地の帯でお茶感を少し弱めてらしたかな?と。
お話の内容は、当然ながら、雑誌やテレビ番組で話されているものとほぼ一緒なんですけれど、ご本人が直接お話しなさるのは、やっぱり聞き甲斐があるというもの。
良かったです。大満足。
さて映画。
武田先生を演じるのが樹木希林さんだと知った時、私が持っている武田先生のイメージと違っていたので、え?というのが正直なところでした。
武田先生、習い始めは40代。樹木希林さんを幾ら若くしても、60代前半でしょーって。
それがねえ~。さすがですね、樹木希林さん。
途中から、すっかり武田先生像が変わってしまいましたよ。
そこに、トークショーで納得したお話が加わって。
樹木希林さんがオファーを受けた際、茶道経験ゼロですから「お茶の先生なんて、どうかしら?」と思ったそうなんですが、武田先生にお会いして、「武田先生を演じるなら」と。
まさにその通り。一流の俳優さんって凄いです。
私自身、いつの間にか「森下さんのお茶の先生」が取れて、「武田先生」として見ていました。
しかも映画の武田先生、ご本人に似ているそうです。シニカルな部分だとか、エッセイだと描き切れないところを、映画&樹木希林さんが補った形らしく。なんと面白い。
樹木希林さんは、もうね、好きとか嫌いとか、そういう範疇を越えた存在ですよ。
他には(今思い出せる範囲で)、北林谷栄さん、菅井きんさん、笠智衆さんとか。
年配者を演じる人の皆が皆ではないんですよ。そこが不思議なところでね。
どういう違いがあるのか、分かりませんけれども。
黒木華さんと多部未華子さんも良かったです。どちらも好きな女優さん。
こちらは、主演が黒木華ちゃんだと聞いた時、「じゃあ従姉妹は誰?多部ちゃんは?」と思ったら、その通りだったので、皆そういう感覚は一緒だったりするのね~と。面白きかな。
それと。鶴田真由さんが、まあ美しくて。
他に美人女優が出ていないのもあるんですが(失礼)、際立って美しかったです。
私達は初見でしたが、二度目三度目のお客様も何人かいらっしゃいました。
トークショーの時に、「この映画を観るのが初めての方?」「二度目の方?」と聞かれまして。
確かに。ハマったら、何度も見たくなる映画です。
初めは気付かなかったところ、二度目三度目と重ねると、みつけることが出来ますものね。
今言うのは不謹慎ですが、そのうち数年後にでも、テレビでやってくれないかな~?です。
「お茶を始めてみたい」と思う人が、きっと増えると思うんですけどねえ。
ちなみに娘は逆で、
「“静”の中にある“動”を愉しむのは分かるけど、私には向いてない。
うっかり始める前に、映画見て良かったわー。無理だって分かったもん」
『少しだけでも習って。嗜みとして、お茶席に呼ばれた時に恥をかかない程度になれればいいから』と勧めていたんです。でもまあ、向かないのは分かってたかな。(苦笑)
余談ですが、映画館で樹木希林さんを見たのは、娘は初めてだったとか。
テレビでは分からない巧さを感じ取ることが出来たそうで、何よりでしたよ。
ちなみに、ご主人の内田裕也さんの「コミック雑誌なんかいらない!」は、友達と見たんですけどね。笑い話だわ。昭和61(1986)年公開で、これを観たのも確か渋谷。
せっかく日本人に生まれたのだから、二十四節気、七十二候を味わいながら、これからの日々を生きて行きたいな…としみじみ思わせてくれた映画でした。
お読みいただき、ありがとうございます。